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第37話:番人の真実と、世界の警告


魔核の番人は、俺の魔力に打ち砕かれた。 光の体が崩れ落ち、その輝きが失われていく。 空間を覆っていた圧倒的な魔力も、急速に収束していく。 勝利。

俺は番人の消滅を見届けた。 だが、その光が完全に消え去る寸前、番人の声が再び響いた。 それは、以前のような無機質な響きではない。 微かに、感情が混じっているかのようだ。

「我は……魔核の……守護者……」 番人の声は、弱々しく、途切れ途切れだ。 「この世界……均衡を……保つ……存在……」 意外な言葉だった。

俺は番人の残滓へと視線を向けた。 その光の塊は、さらに小さくなっていく。 高橋が、番人の言葉に息をのむ。 「均衡を保つ存在……?」

サラもユウキも、その言葉に驚きを隠せない様子だ。 彼らは番人を、マラと同じような、ただの強大な敵だと認識していた。 だが、その言葉は、彼らの認識を揺るがす。 俺の、支配への道にも関わる。

「貴様は、ただ魔核を守っていただけだと言うのか」 俺は問うた。 番人の残滓が、微かに揺らめく。 「我は……世界の……調律者……」 その声は、さらに弱くなる。

「異界の…瘴気より……魔核を……守り……この世界と……異界の……間に……結界を……」 番人が続けた。 「汝の……力が……魔核を……掌握すれば……均衡は……破れる……」 警告。

高橋の顔から、血の気が引いた。 「まさか……魔核の番人は、異界の門を完全に開放しないための、最後の防衛ラインだったのか…!」 高橋が叫んだ。 彼の知識をもってしても、予測できなかった真実。

俺は番人の言葉を冷静に受け止めた。 魔核の力を掌握すれば、均衡が破れる。 それは、異界の門が完全に開き、この世界が異界に飲み込まれることを意味するのか。 俺の支配に、不都合な情報だ。

だが、俺の支配への欲求は揺るがない。 俺がこの世界を支配するのだ。 均衡など、俺の知るところではない。 新たな秩序を、俺が作り出す。

「愚かな番人め。均衡など、この俺には無関係だ」 俺は言い放った。 「俺がこの世界を支配する。そのために、貴様は排除されるべき存在だった」 俺の言葉は冷徹だ。

番人の残滓が、さらに微かになる。 「汝の……支配は……この世界に……破滅を……もたらす……」 番人が警告する。 「異界は……全てを……飲み込む……」 最後の言葉。

その言葉と共に、番人の光は完全に消え去った。 何も残らない。 ただ、魔核の眩い輝きだけが、空間を照らしている。 番人は、消滅した。

高橋は、呆然としたまま立ち尽くしていた。 彼の顔には、絶望と、そして深い葛藤が浮かんでいる。 「この世界の均衡が……破られる…」 高橋が呟いた。

サラは、番人の言葉に涙を流していた。 「そんな……私たちは、世界を救うために戦ってきたのに……」 彼女の声は、悲痛だ。 彼女は、自身の行動が、世界の破滅に繋がる可能性を認識し、苦しんでいる。

ユウキもまた、怯えた顔で俺を見つめている。 彼の感知能力が、番人の最後の警告を鮮明に感じ取っていたのだろう。 彼の目には、恐怖と、そしてわずかな疑問が浮かんでいる。 俺の行動が、本当に正しいのか、と。

俺は彼らの反応を冷徹に評価した。 彼らの感情は、俺には理解できない。 世界の均衡? 破滅? そんなものは、俺の支配の前に無意味だ。

俺がこの世界を支配し、新たな秩序を構築する。 異界が全てを飲み込むというのなら、その異界をも支配すれば良い。 俺の力は、今や全盛期を上回る。 不可能ではない。

俺は魔核へと手を伸ばした。 番人の警告など、俺の決意を揺るがすことはできない。 魔核から放たれる膨大な魔力が、俺の掌へと流れ込んでくる。 それは、かつてないほどの圧倒的な力だ。

俺の体内で、魔核の魔力と、俺自身の魔力が完全に融合していく。 全身が、光に包まれる。 漆黒の魔力が、空間に満ちていく。 俺は、この世界の魔力の源を、今、完全に掌握した。

「レグナ様……」 サラの声が震える。 彼女は、俺のその姿に、恐怖を覚えているようだ。 聖女と魔王。

高橋は、何かを決意したかのような顔で、俺を見つめている。 彼の目には、強い光が宿っている。 彼は、番人の警告をどう受け止めるのか。 そして、俺の支配に、どう対処するのか。

ユウキは、まだ怯えている。 だが、彼の感知能力は、俺の圧倒的な力を正確に捉えている。 彼の目には、俺への畏敬の念が、さらに深まっているようだ。 彼は、俺の支配を受け入れるのか。

番人の最後の警告は、俺の支配への道のりにおいて、新たな試練をもたらすだろう。 しかし、俺の決意は揺るがない。 俺は魔王だ。 この世界を支配し、新たな秩序を築く。

皇居地下。 魔核の輝きが、俺の体を包み込む。 俺の支配の始まりだ。 世界の未来など、俺の掌の上にある。



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