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第36話:魔王の咆哮、真の覚醒


魔核の番人との戦いが始まった。 その光の柱は、俺の魔力をも透過し、あらゆる攻撃を無効化する。 実体を持たない番人。 その核だけが唯一の弱点。

しかし、番人は光の柱を自在に操り、俺の接近を許さない。 圧倒的な速さで生成される光の嵐。 俺は光の柱をかろうじてかわし続ける。 だが、このままではジリ貧だ。

「レグナ様!光の柱の生成速度が上がっています!」 ユウキが叫んだ。 彼の感知能力が、番人の力の増大を伝えている。 番人は、魔核の力を直接利用している。

「あの光の柱は、魔核から直接力を引き出している!」 高橋が叫んだ。 「魔核の力を断ち切るしかない!」 彼の言葉は、絶望的だ。

俺は番人へと漆黒の雷を放つ。 雷は番人の体を透過し、何の効果も与えない。 魔力そのものが、番人の光に「調律」され、無力化される。 苛立ちが募る。

このままでは、サラもユウキも、そして高橋も危険だ。 彼らは番人の攻撃を避けるのが精一杯。 俺が、この状況を打開しなければならない。 魔王として、全ての障害を打ち破る。

俺は番人の光の嵐の中で、目を閉じた。 全身の魔力を、深く深く、内側へと集中させる。 マラの瘴気結晶を吸収したことで、俺の魔力は覚醒しつつあった。 だが、まだ足りない。

俺は、魔核から漏れ出す魔力を、無理やり体内に取り込もうと試みる。 それは、本来、魔核の番人が行う「調律」の力を逆手に取る行為。 膨大な魔力が、荒々しく俺の体内に流れ込んでくる。 肉体が悲鳴を上げる。

まるで、体が破裂しそうなほどの衝撃だ。 全身の細胞が、魔力で満たされていく。 骨が軋み、筋肉が震える。 だが、俺は耐え抜く。

その瞬間、俺の全身から、漆黒の光が溢れ出した。 それは、これまでの魔力とは次元が違う。 全てを飲み込み、全てを支配する、純粋な闇の輝き。 魔王の真の力。

「な……なんだ、この魔力は!?」 ユウキが絶叫した。 彼の感知能力が、俺の圧倒的な魔力に恐怖している。 それは、マラの比ではない。

「まさか……!ここまでとは!」 高橋が驚愕した。 彼の目には、信じられないものを見たかのような表情が浮かぶ。 俺の力は、彼の理解を超えている。

サラもまた、その光景に言葉を失っていた。 彼女の聖なる光すら、俺の魔力の輝きに霞んで見える。 畏敬の念。 彼女の表情には、明確なそれがあった。

俺は、ゆっくりと目を開けた。 俺の瞳は、純粋な漆黒に輝いている。 その視線が、番人を捉えた。 番人の放つ光の柱が、俺の魔力の前に、その勢いを失う。

「消滅しろ」 俺は咆哮した。 その声は、空間を震わせ、番人の「調律」の力を打ち破る。 漆黒の波動が、俺の全身から広がる。

波動は、番人の光の柱を打ち消し、空間の歪みを正していく。 そして、番人へと直進する。 番人は、初めて明確な反応を見せた。 光の体が、わずかに揺らぐ。

番人は、さらなる光の柱を生成し、俺を迎え撃とうとする。 だが、その速度は、俺の魔力の前に圧倒される。 俺は、光の柱を素手で掴み、握り潰した。 光の粒となって、消滅していく。

そして、番人の核へと向かって駆ける。 番人は、実体を持たないはずの体を、わずかに退かせた。 その動きは、恐怖。 俺の力が、番人の絶対的な守護の意思すら凌駕したのだ。

俺は番人の核へと、魔力を込めた拳を叩き込んだ。 その瞬間、番人の光の体が大きく震える。 内部から、亀裂が走る。 純粋なエネルギーの塊である番人の体から、光の破片が飛び散る。

番人の体は、ゆっくりと崩れていく。 その崩壊と共に、光の柱の生成も止まる。 番人の声が、空間に響き渡る。 「馬鹿な……我は…この世界の…秩序を…」 その声は、途切れ途切れで、やがて完全に消え去った。

番人は消滅した。 その場に残されたのは、魔核の、より一層強い輝きだけだ。 俺の魔力は、今、魔核のそれと完全に共鳴している。 全盛期を上回る、圧倒的な力が、俺の体内で満ち溢れている。

高橋は、呆然としたまま、俺を見つめている。 サラも、ユウキも、その目には、畏怖の色が濃い。 彼らは、今、真の魔王の力を目の当たりにしたのだ。 人間たちの恐怖。

この力が、俺の肉体に大きな負荷をかけているのも事実だ。 体内の魔力の奔流は、コントロールを誤れば、俺自身を破滅させるだろう。 だが、今は、その圧倒的な力を享受する。 全てを支配する力だ。

東京の地下。 魔核の輝きが、空間を照らす。 俺は、その輝きを一身に浴びる。 俺の支配への道は、誰にも阻めない。

管理局の残党は、この光景を目の当たりにしているだろう。 彼らは、俺の力を危険視し、恐怖に震えているはずだ。 だが、彼らに俺を止める術はない。 彼らは、俺の支配の前に、跪くことになる。

俺は魔核へと手を伸ばす。 それは、この世界の魔力の源。 それを掌握し、俺は真の支配者となる。 魔王の咆哮が、地下深くにこだまする。



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