手紙
掃除していたら見つけた一通の手紙。あ、待てこれ黒歴史だ。なんでこんな場所に落ちてるんだ?先生落としていったかな。見てみよう、怖いけど。自分で書いたくせに怖いもなにもないけど。いざオープン!…ごめん、読み進めるのが辛いくらい黒歴史。好きなのがよく分かるけどもう少し気持ち抑えられなかったかな。幼いな、若いな。もう愛が溢れすぎている。見なかったことにして落ちていた場所に置いておこう。あぁいやだいやだ、黒歴史すぎる。でも今書いても同じようなことを書く自信がある辺り黒歴史を製造しすぎる人間なんだろう。生きてるだけで黒歴史だよもう。
「あ、こんなところに落ちてたんだ。探してたのに。」
「…もしかして持ち歩いてます?」
「Yes!」
黒歴史持ち歩かないでお願いだから。タンスの奥深くにでも仕舞っておいてほしいくらいだ。家以外のところで落とさないでねお願いだから。
「かわいいよねー、知らないところでこんな風に思ってくれてたなんてさ。」
「もうやめてくださいそれ捨ててください。」
顔面から火が出るくらい恥ずかしい。大好きだったし会えなくなるなら書いちゃえ!って書いたのが間違いだった。また会うとか一緒に暮らせるとか思っていなかったし。書きたいこと全部書いちゃったんだよな、過去の自分。恥ずかしいからもう変なこと書かないでくれ。もう手遅れすぎるけど。
「目の前で読み返すのやめてもらえます?」
もう先生の方見れないじゃん顔見れないじゃん目合わせられないじゃん。恥ずかしいじゃん!もう死にたい、穴に入りたい。
「この手紙みたいに伝えてくれてもいいよ。」
「好きですよ、綾音様のこと。」
好きだよ!大好きだよ。先生が大好きなんだよ。人を好きになるとか思っていなかったし先生という立場に居る人を好きになるとか論外だし。なんで好きになってしまったんだろう。恋に落ちたな、奈落の底みたいな場所に。もう一生出る気ない。
「読んだ時笑っちゃったもん。」
「そういうことは言わなくていいんですよ。」
笑わないでよ、面白いかもだけど。素直な気持ちを笑わないでくれよ。別にいいけどね、ビリビリに破かれて捨てられるより持ち歩かれるほうがいいけど。いいんだけどなー、なんかな。
「綾音様は私のこと好きですか?」
「えー、普通。」
普通、だと?嫌いよりはマシだけど普通ってなにさ。一緒に暮らしておいて普通ってなに。普通じゃないよね?普通ならペットカメラで監視しないよ。
「普通じゃないですよね。」
「好きだよ、これでいいか。」
適当すぎるけどいいよ。先生に好きって言われたら心拍上昇しすぎて死んでしまうから。私は先生に嫌われてもずっと大好きだからね。なんか怖い?怖くないよね。これからも一生嫌えないもん。手紙は捨ててくれていいけど私のことは捨てないでほしい、お願いだから。




