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先生、恋人になりませんか?!  作者: 雨宮雨霧


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先生の家の掃除

二人暮らしとはいえ、先生は朝早くに家を出るし帰ってくるのも遅い。

休みの日も部活あるし仕事あるしと家に居ないことが多い。

でも!今日は!先生の家に来ていまーす。今日は一日先生と居れるんです。初めての先生の家は汚いですね。人のこと言えませんが。散乱したコンビニ弁当のゴミ。空いたペットボトル。ぐしゃぐしゃになっているTシャツ。気合を入れて片付けないと。

「あと一歩でゴミ屋敷ですよ。」

「家って寝るだけの場所だったしほとんど家で過ごさないし…掃除する時間もないし仕方ないよね。」

働き方改革をぜひとも進めていただきたい状況。

これじゃ先生死んじゃいます!

ゴミはゴミ袋に。ちゃんと分別していく。

なにこれ写真?先生かわいすぎん?髪長いしかわいいしこの写真ほしい。

「早瀬ー?」

背後から怖い声が聞こえた。心臓止まるかと思ったびっくりした。

「この写真どこにあった。」

「落ちてました。この写真もらえますか?それかコピーしてもいいですか?」

「恥ずかしいからダメです。」

奪い取られた写真をもう一度見たい。絶対諦めない、あの写真ほしい。

「早瀬、ゴミ捨て終わったら掃除機お願いします。」

なんで私が掃除してるんだ。いいけど。先生漫画読まないでください。掃除してる最中に読む漫画って面白いけど一緒に掃除してくれ。先生の家でしょう。

あ、またなにか発見。なんだろうこれ。

「それなくしてた日記。」

「なんで日記なくしてるんですか。」

「書こうと思ったらなくしたんだよ。」

開いてみると白紙。何も書いてない日記は日記じゃない。ただのノートだ。

「私への愛でも書いといてください。」

いやなに言ってるんだ本当に。私は先生への愛はたくさんあるけど先生は私への愛なんてないだろ。え?ない?言ってて悲しくなってきた。

「分かった。」

分かったじゃないよ先生。そこに愛はあるんか?!恋人になってくれるんか?!面倒だからって分かったって言わないでくれ。期待しちゃうでしょ。

朝から掃除していたのに片付いたのは夕方。

先生の衣替えも終わったし家に帰る…元気ないな。

「寝たい。」

「どうぞ寝てください。」

先生はベッドに転がり寝息を立て始めた。

私は床に寝転んで寝息を立てる。

明日から学校なのに。明日から一週間始まるのに。二人して爆睡してしまった。

起きたのは午後22時。もう夜中だ。

「早瀬ー、明日から学校だよ帰ろう。」

「えぇ、えー!」

荷物をまとめて電車に飛び乗って家に帰った。

また先生の家行きたいなぁ。

あ、そうだ先生が奪い取った写真は私が持っている。コピーもとっておこう。先生に髪の長い時期があっただなんて。生で見たかったな。伸ばしてくれないかな。そんな熱い視線を先生に向ける。

「え?なに?」

「なんでもないですよ。」

先生、ちゃんと愛してくださいね。

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