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先生、恋人になりませんか?!  作者: 雨宮雨霧


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先生のためなら

ぼっちのまま迎えたのは体育祭。

運動は大の苦手。人と話すのも苦手。私が出るのは50m走、リレーとかじゃなくてよかったけど走るの遅すぎて無理。

「先生、体育祭無理です。」

「走る練習する?」

「嫌です。」

「体育嫌いだもんね。私体育担当なのにな〜」

体育だけが嫌いなわけじゃない。全部嫌いだ。先生が拗ねたような顔をする。練習するべきか。

「やります、したくないけど。」

先生との練習は案外楽しかった。先生と走るから楽しかっただけか。いつも体育の授業で先生は走っていなかったけど普通に早すぎてビビった。早い人についていこうとすると少しタイムが早くなる。とはいえ9秒台ギリギリだけど。

「久しぶりにこんな走ったな。自販機でなんか買ってくるよ、なにがいい?」

「なんでもいいです。」

先生は自販機に行き、私はベンチで待つ。夜の公園は静かで暗い。自販機の明かりが眩しいくらいだ。

「ねぇお姉さん、駅ってどこかな。教えてくれない?」

後ろから声をかけられて心臓止まるかと思った。心臓バクバクのまま道を教える。

「案内してくれない?」

「いや、人待ってるのでちょっと…」

これやばいやつ?防犯ブザー持ってくればよかった。いや人居ないのに意味ないか。

「ね、教えてくれるでしょ?」

ニヤッと笑う迷子の人。片手にスマホ持ってるじゃん。スマホに案内してもらえばいいのに…

「ちょっとなにしてるの?」

先生が戻ってきた。先生の眼差しがいつもより怖い。私がちゃんと断れればよかったのに。先生巻き込んじゃった。

「道分からなくて聞いてただけっすよ。」

「じゃあその手離しなさいよ。怖がってるでしょう、今すぐ離しなさい。」

「じゃあお前でもいいよ。俺と遊ぼう。」

先生に迷子の人の手が伸びる。先生に危害を与える気か?死ね。

「痛、お前よくも…!」

迷子の人の顔面に足蹴りヒット。股間にヒット。私は先生のためなら何だってできる。

「お前が失せろ。死ね。」

迷子の人は逃げていった。やっぱり夜は危ないな。防犯ブザー持っておかないと。

「早瀬大丈夫?怪我ない?怖かったね。」

「大丈夫です、先生はどこも怪我してないですか?」

「うん、大丈夫。足蹴りすごかったよ。びっくりした。」

「先生に触ろうとしてたからつい。」

少しぬるくなったコーンスープを飲みながら家に帰った。

なにもなかったからよかったが相手が刃物とか持ってたらと思うと恐ろしい。

先生を守るためにも特訓しないと。

その後の体育祭はビリで終え、迷子の人は警察に相談した翌日別の事件で捕まったらしい。

でも迷子の人どこかで見たことあるような…気のせいか。

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