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先生、恋人になりませんか?!  作者: 雨宮雨霧


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片付け

もう3月。春じゃん。なんで3学期って何年生の0学期っていうんだろうね。0学期って何なんだよっていつも思う。先生は3月ということもあって忙しそうだ。

「最近忙しそうですね。」

「忙しいよ。時期的にどうしてもね。あぁそうだ叶に言わないといけないことがあるんだけどさ。」

時期的に異動でしょうかね。そんな気がする。

「異動になった。」

「そうですか、大変ですね。」

やっぱりそうか。そうだと思っていた。これからどうするかの話をしたいのだろう。勝手にどこでもついていきますけどね。

「ここより私の家からのほうが近いからどうしようかなと。」

「綾音様は綾音様の家で過ごせばいいですよ。」

「叶はどうするの?」

どうすると言われましても困る。先生の家からのほうが学校に近い。先生の家に住んでいいのかな。

「綾音様の家に住みたいって言ってもいいんですか?」

「いいよ。」

いいんだ。いいんだ?!先生の家に先生と住めるとかこれはまた夢のようだ。先生と暮らしてる事自体変なんだけども。

「叶が居なかったら私生活できないし。」

「私も綾音様居なかったら生きていけないです。」

先生は家事が苦手だから生活できないと言っているが私は先生居ないと死んじゃう病だから生きていけないと言っている。依存の仕方が違う。

「とはいえうち狭いからそんなに使わないものはここに置いていってね。」

「分かりました。綾音様の家に調理器具ってありました?」

「あると思う?あるわけないよ。」

ですよね。ないですよね。フライパンとかは持っていこう。教科書も置いていこうかな駄目かなそうだよね駄目だよね。ついに家から脱出できるんだな。物置と化するんだなこの家変なの。色々あったけど先生と暮らせたからこの家を大嫌いとは言えない。これからは物置としてよろしく。

「そういえば私、親御さんと会ったのあれが最初で最後だな。」

「あぁ。会わなくていいですよ殺されたくないでしょう。」

「…そうだね。」

暴力しかないですからね。先生を危険な目に合わせるのは嫌だから会わないでいいよ。

「三者面談とかも叶の親御さん来ませんって話題になってたよ。」

「いやな話題ですね。三者面談じゃなくてただの面談になってましたし。」

そんな思い出は忘れよう。担任と面談とか気まずくてなにも話せなかったな。忘れよう忘れよう。思い出しても意味がない。

「ゆっくり荷物まとめてくれたらいいから急がなくていいよ。私も荷物どうしようかな、増えすぎたね。」

「物置になってる部屋の荷物どうする気ですか。」

「どうしようかな。」

3月は片付け頑張ります。なにもなかった部屋が物であふれる日が来るなんて思ってもみなかった。先生とこれからも暮らせる喜びと片付けをしないといけない面倒くささとしばらく過ごします。

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