二人暮らし開始
時間がすぎるのはあっという間。もう日曜日だ。
掃除も全くできていない。どうしよう。先生が家に来るのやっぱり緊張するな。
とりあえず寝よう、夜中に先生が来るわけじゃないんだから。日付変わって今日来るだけだから。もう3時なんだけどなんでだろう。ネット見てたらあっという間にこんな時間だよ。なんでだよ。早く寝よう。
ぐっすり寝ていたら呼び鈴が鳴った。時計を見ると午前10時。寝坊した、やばいって。
「先生、ちょっと待ってください。今起きましたごめんなさい。」
「いいよ、待ってる。とりあえず家の中いれてもらえるかな。」
インターホン越しでも分かるくらいの荷物を持っている。なに持ってるの先生。顔も洗ってないのに顔合わせられないな、仕方ないけど。
「おはようございます、すごい荷物ですね。」
「私の荷物ほとんど入ってるからね。お邪魔します。」
ボストンバッグにスーツケース。旅行かな?ってくらいの荷物を持ってやってきた。
「先生、身支度するのでお茶飲んでてください。」
「はーい。」
なんかくつろいでる。最初よりくつろいでる。いいよ別にゆっくりしてもらっていいんだけどさ。先生待たせてるし早く用意しなきゃ。髪なんでこんな絡まってるの面倒くさいな。水冷たいな。着替えないとだし。
「おまたせしました。」
「早瀬ー、このソファ眠くなるねぇ。」
ソファで眠そうにしている先生。ギリギリ起きてるけどそのうち寝てそうだな。
「眠いならベッドで寝たほうがいいですよ。」
もう先生寝てるし。早いな。そんなに疲れてるなら来なくてもいいのに。かわいいな寝顔。写真撮りたい。ごめんね先生撮らせてください。はいかわいいですありがとう。先生起きるまでなにしよう。この荷物どうすればいいんだろう。ネットでも見るか。
「早瀬〜、おはよう。」
「起きましたか、おはようございます。」
「もうお昼か。荷物出さないと。」
ゴソゴソとカバンを開ける先生。なにが入ってるんだ。
「先生、まさかうちに泊まる気ですか?」
「うん。」
うんじゃないよ。え、本当に泊まるの?泊まるっていうか暮らすレベルの荷物じゃん。
「うちの家より早瀬の家のほうが広いしさ。ギリギリ校区内だから生徒もそんなに通らないし。ね、お世話になります。」
ね、じゃないよ。お世話になるのは多分私だしね。暮らすの?一緒に?恋人でもないのに?なってくれないんでしょ?なんで一緒に暮らすのはいいんだ。おかしいでしょ。
「親にバレたらどうするんですか…」
「許可もらったよ。」
はい?許可もらった?なぜ?どうなってんだ。
「さっき早瀬の親御さん居たから許可もらってきた。勝手にしろって。」
「え。親居たんですか。そっか今日お金置いていかれる日だ。」
「お金渡されたよ、ほら。」
状況を把握できない。先生との二人暮らし始まるってこと?親も親だよなんで許可した。
「早瀬の友達で〜、しばらく泊まりたいって言ったら許可してくれた。」
「そうですか、友達でよくいけましたね。やっぱりうちの親私に興味なさすぎるな。」
「これからは私が隣にいるよ。仕事の時間のほうが長いけど許して。」
恋人になれなかった先生との二人暮らしが始まる。
これからどうなるんだろう。