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先生、恋人になりませんか?!  作者: 雨宮雨霧


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ずっと一緒

悲報なのか朗報なのか分からないが実家が消滅したことをお伝えします。

もうないかな、と思って確認しに行ったら見事に空き家になっていました。親がどこに居るのかも知らないので家族消えました。いいよ、先生が居るから。逆にありがとう、先生と暮らせる状況を作ってくれて。

家には何の罪もない。感謝を伝えて深くお辞儀をしてその場を去った。もうこれで終わりだ、一人でも先生と共にでも生きていけるように頑張らないと。

「実家消えました。」

「あぁ、反応に困るな。」

私も同じことを言われたら絶対に反応に困る。なんかごめんね、先生には色々と気を使わせてしまった。

「今までのこと、聞いてもいい?」

これまで私の家庭環境を深く聞いてこなかった先生。この機会に聞いておかないともう二度と聞く機会がないと思ったのだろう。話したくもないが先生には話しておく必要がある。何なら話すのが遅すぎだ。

とりあえず育児放棄。家に帰ってくることはほとんどなかったこと、帰ってきても暴力ばかりだったこと。ギリギリで食いつないで居た時期のほうが長かったこと。

その他色々、先生は静かに聞いてくれた。傷つけまいと言葉を選んでくれている。その優しさが好きだよ。その優しさに何度も救われた。

「綾音様が居てくれてよかったです。一人だったら途方に暮れるところでした。」

「ずっと一緒に居る。約束する。」

指切りをして約束を交わす。ずっと一緒に居てくれるとか神すぎて拝むしか。大好きな先生と居られる幸せを噛み締めながら抱きしめられた。あぁ、大好きだよ先生。なにがあっても、どこに居ても永遠に愛す。永遠に好きだからね。本当に人生なにがあるか分からない。こんなに先生のぬくもりを、こんなに近くで感じられるなんてもう幸せすぎて。

「一人にはしないよ。」

「心強いです。」

どれだけ心配をかけても、どれだけ迷惑をかけても。雨の中に飛び出しても。ずっとそばに居てくれた。追いかけてくれた。その優しさに甘えていた。甘えてばかりではダメだな、先生を守れるように強くならないと。

一人で生きていけると思っていた。それは間違いだった。一人ではなにもできない、生き抜くことさえできない。先生が居ないと生きられない。人生をやめなくてよかった。捨てなくてよかった。生きていてよかった。そう思えるようになったのも全部先生のおかげ。感謝してもしきれない。ありがとうだけでは足りない。

「大好きです、綾音様のこと。」

「それはどうも。」

いつか先生から好きだと言われたいな。行動で示してくれているから寂しくはないけど、言ってほしいです。もっと好きになってもらえるように内面も外面も磨き上げよう。そんなことしなくていい、と言ってくれるかもだが。ずっと大好きだよ。

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