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先生、恋人になりませんか?!  作者: 雨宮雨霧


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見つめ合い

先生が好きすぎてどうしようもできません。先生が好きすぎてどうしようもないくらいに大好きです。ずっと一緒に居たい。どこまでも堕ちてしまいたい。

「いつまで見つめる気?」

「ずっとです。」

どこかへ行ってもいいかとも思っていたが暑いからやめた。やめたわけではないが一度見つめると見つめていたい欲が湧き出てきてしまって今に至る。どうしてこんなに愛しいんだろう。どうしてこんなに愛してくれて一緒に居てくれているんだろう。私にはもったいない。だからといって誰かに渡すわけがない。先生が私の人生だから、生きていく理由だから。ずっと一緒に居てね。

「見ていて飽きないの?」

「飽きるわけがないです。」

あの手この手で見つめるのをやめさせようとしてくる先生に対抗して見つめるのをやめない私。1秒も無駄にはできないこの1日。見つめ合えば解決するよ、一方的に見つめているのが駄目ならね。でも先生だって明日私のことを見つめるんでしょう?それならいいじゃん、2人で堕ちてしまおう。底のない愛だけ溢れた沼に。

「これでもか。」

くすぐるのは反則ですよ先生。くすぐられるのは苦手です、弱点を突かれてもう転げ回っている。もうだめ、わらいすぎてしんどい。ぎぶあっぷ…するわけないじゃんこの私だよ。仕返しはしないけど見つめるもん、ずっと。今日はそういう日でしょ。そうでしょ?お互いに拒否権なんてないんだから。

「もうだめです…しぬ…」

全然ギブアップしましたすみません。弱点しかなかった、もうこれ以上は本当にだめ。死ぬ。無機質な天井が視界に入る。あー、先生の家だ。そりゃそうか。運動をしたわけでもないのに息が上がっている。疲れた。

「叶って案外弱いよね。」

「弱くないです。」

頭も弱いしメンタルも弱いし何に対しても弱いけど弱くないです。思い込んでいたら強くなれるかもしれない。それはありえない、言われなくても分かっている。強がらないと生きていけないよ。弱さを見せると漬け込まれるから。戻れなくなるから。先生は私が弱すぎることを分かりすぎているから嘘を吐く必要もなかったか。

「なんかセミの鳴き声うるさくない?」

「ベランダに居座ってますね。」

先生を見つめていたら邪魔者が入った。邪魔者は殺せ。そこまではしないが邪魔をするでない。窓を開けて外の熱気にやられながらセミを追い払う。スリッパでオラオラしたら飛んでいってくれた。めでたしめでたし。先生は虫が駄目なので代わりに私が戦闘しました。えらい!がんばった!てんさいだ!レベルが上がってもいいのでは!

「頑張ったので見つめます。」

「ありがとうだけど見つめなくてもいいかな。」

本当に1日中見つめてしまいそうだ。まだ明るいけどそのうち暗くなって電気もつけずに見つめているかもしれない。真っ暗になったらなにも見えないじゃん、それは困る。電気をつけて見つめないと。ずっと大好きだよ、先生。

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