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先生、恋人になりませんか?!  作者: 雨宮雨霧


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雨が続く。もう梅雨入りしたらしい。先生また濡れて帰ってくるんだろうな、お風呂溜めておかないと。ちゃんと傘をさす日もあるがささない日も多い。先生の基準がイマイチ分からない。自分も小雨くらいならささないけど本降りはさす。風邪引くしびしょびしょにはなりたくない。そう思っていると玄関が開いた。

「ただいま。」

「おかえりなさい、また傘ささなかったんですか。」

問答無用で先生をお風呂に入らせる。その間に濡れたカバンと服を乾かす。ちゃんと傘を持たせているのになんでささずに持って帰ってくるんだ。そんなに濡れたいのかな、分からなくもないけど分からない。傘をさしてくれたら私も乾かすという面倒な作業をしなくて済むのに。もし濡れて帰ってくるのが自分を傷付けるためであるのなら。私はどちらにせよなにも言えない。

「珍しくカレーだ。」

「久しぶりに作りました。」

登場率は少なめなカレー。簡単に作れそうに見えるのに手間がかかるから少し避けていた。煮詰めるのも面倒だしまず具材を切るのも面倒だし。よくそんな面倒くさがり屋が毎日料理を作っているな、自分でも関心してしまう。同じ理由でシチューもあまり登場しない。普通にルーを買うのを忘れているだけ。安いものを求めてスーパーに行って作れそうなものをネットで漁っている。これを作ろう、とか思ってスーパーに赴くことがない。

「なんで傘ささないんですか?」

「面倒だから?そんなに降っていなかったからいけるかなって。」

分かるけど分かったら駄目な気がする。これを「そうですよね」と返そうものならこれからも濡れて帰ってきてしまう。なにを言っても同じかもしれないが。

「ちゃんとさしてください。」

「叶だってそうじゃん。」

…何の話ですかね。先生にバレるはずがないのに、先生に見つかるわけもないのに。本降りならさしてるよ?それ以外はささないことも多いけど。

「まぁ、いいか。」

「よくないですけど今日はいいです。」

話すのも面倒になってしまった。こういう日もあるよ、やっぱり。仕方ないね。一緒に暮らして生きている以上、こうなることもある。梅雨の時期の寒いのか暑いのか分からない感じが苦手だ。上着を着れば暑いし脱げば冷えて寒い。体の体温調節が狂っている私にとってはちょっと困る時期。こうやって風邪を引くんだな、気を引き締めておかないと。

「なんでこんなに教科書湿ってるの。」

「水たまりに落としました。」

駅のホームで教科書を開いていたらついうっかり水たまりに落としてしまった。故意ではない、事故だ。ただの不注意。教科書重いんだもん、重力に逆らうことなく落ちていった。って言い訳くらいしておかないとね。

「こう雨が続くとなんか疲れる。」

「ですね。」

部屋干しが続く梅雨。びしょびしょになるものが増える梅雨。雨は嫌いではないけどたまに降るくらいがいいのかもしれない。毎日はちょっと疲れるから。

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