奴隷の男
森の中で車椅子は正直上手く走らせる事が出来ない。
何度も引っかかりながら、上や下を見て木の実やキノコなどを探す
10分ぐらい探索していたら少し離れた所に光る物が見えた。
音を立てずにこっそり久紫は近づいて行った。
先程俺達を捉えて居た金の鎧の男が倒れて居た。
周りを見渡し近づくともう死んでいた。
数箇所胸元に穴が空いて居てさっき俺達を襲った魔物で間違いない。
俺も襲われないか不安になったが、このまま帰っても食料が無くて死ぬだけだ。
このゲスが死んでも気にも止めないが
久紫は死体を見たのも初めてだ
動揺しないわけが無い。
少し震えながらも意を決してこのまま検索を始めた
少し離れた所に広がった場所があり。そこに馬車が止まっていた。
多分俺達を乗せて来た馬車だと思われる馬車に久紫は近づく。
辺りを警戒しながら、馬車の中に車椅子から飛び移る形で馬車に這いつくばった。
1人では車椅子のまま乗ることは無理なので強引に力技で乗り込み、這いつくばって食料まで取りに行った。
まだ久紫が病院の頃、夜中にトイレに行きたくて夜中にナースコールは押すのが恥ずかしくて、ベットから頻繁に車椅子に乗ってトイレに行って帰ってきてベットに飛び込む。繰り返しやってた経験が役にたっていた。
馬車の食料を馬車の入口まで運んだらまたさっきの逆の要領で馬車の出入口を縛るロープに捕まり、手の力でぶら下がりながら車椅子に座った
座ったら車椅子に食料を詰め込んで来た道に戻ろうとした。
だが金ピカの鎧の死体を通り過ぎた頃何か居る気配を感じた。
魔物か?って思ったその時あの時の奴隷だった
無事で良かった。無愛想に近づいて来る奴隷の男も久紫は先程の仲間だと思って居るので警戒した。
お嬢さんも無事か?聞いてくるが無視をする久紫。
久紫はとっさに金ピカの鎧が持っていた剣を取る
近づくなって警告をするが奴隷の男は近づいて来る。
奴隷の男はその剣を握り大丈夫だ。
敵意はない
って、顔はいかついままだが、それでも久紫にとっては優しい顔してきてるって久紫は思えた。
俺も少し警戒心を緩め剣を下げ、奴隷の男と話す。
俺は北の国で生まれた家名はもうない。ウゴーだ。
お前は?
ウゴーが久紫に聞いてくる
俺はこの辺ではない所から連れてこられた久紫だ。
異世界から来たと言っていいのかわからずに曖昧に答えた。
そうかもう1人のお嬢ちゃんは無事か?
あぁー
心配してくれてるのは解ったがまだ警戒してる為久紫はウゴーに対してぶっきらぼうに答えた。
所でさっきの魔物はなんだ?ここはどこだ?俺達はどうなる?
ふっと現実に戻った久紫はウゴーに質問攻めをした。
ウゴーはとりあえず大きな声を出すな。少し厳しめに言ってきた。
久紫は確かにまだ魔物がどこに居るかも解らないのに大きい声を出しすぎた。
やってしまったと思いながら、解ったと返事を返した。
ウゴーはとりあえずここは危険だ。安全な場所を探して話そうと提案してきたので、
俺は少し迷ったが理沙が待ってる洞窟に案内した。