仮の安息の地
片腕はずっと理沙の手を、もう片腕は舗装もされてない道とも言えない道を全力で車輪を回して走ってたので、片腕が破裂しそうなぐらいパンパンだ。
丁度人が数人入れそうな洞窟を見つけ2人で入る。
深呼吸してから薄暗い中で俺は理沙に手話で会話を始めた。
俺もまだ混乱してるがとりあえず、あの男達からは逃げられた。
理沙も手話では無く頷いて返事を返して来た。
突然わけも分からない所に居て挙句の果てにレイプされてから殺れるって宣言された状況だったんだ。
まだ気持ちが整理出来ないのは仕方ない。
だが俺達もまだ安心できる立場じゃないってのは俺も理沙も理解出来ていた。
とりあえず状況を確認しよう。
多分ここは異世界で俺達2人は召喚された?
ここは日本じゃ無いことは確かだ。
良くて外国悪くて異世界!まだ外国ならまだ帰れる可能性が高い。だが異世界だとしたら可能性ははるかに低くなる。日本にこんなジャングルは無いことから、ここは日本ではない学生の久紫でも理解出来た。
先程召喚された城らしき所で見たステータス、これは俺達の戦闘力と言うべきなのか俺達の現在の状況が解るシステムだと思う。
ゲームなのでキャラクターのステータスが見ることが出来るような感覚だった。それ以外久紫は思いつかなかった。
ただあれがどれぐらい強いのか?弱いよか?全く分からない
スキルもそうだ。
剣術なんて学校で剣道習ったぐらいだし。
それなりに強かったイメージはあるが所詮授業の一環で真似事だ。
投擲。物を投げるか?これならバスケで散々投げてきたが訳が分からない
理沙のスキルなんて魔法基礎ってなんだ?魔法が使えるのか?
使えたとして基礎って?
久紫と理沙はここの常識を全く理解できないでいた。
仮にゲームの考えだと俺達にレベルがあった。まだ1だから俺がたとえ勇者だとしてもその程度だと思ってた方がいいか?
久紫は心の中で考える。
なんにしてもとりあえずは飯探さないと2人とも死ぬな?
でも迂闊に外に出ると魔物やまたあいつらの仲間に出会ったら逃げれる保証はない。
どうするべきか久紫は考える。
久紫は決意をして理沙に告げる
理沙少し待っててくれ。
食べれる物を探して来る。
手話で理沙に伝える
理沙は拒絶するように首を振る
だが理沙外は危ない。言い聞かせるように諭す
待っててくれ、返事も聞かないまま
少し強引だが車椅子を走らせる。