7.いざ、オパール公爵邸へ…
ルージュは、オパール公爵であるランドルとの結婚を了承した。
結婚が決まった途端、話はあれよあれよという内に進んでいきランドルが結婚を申し込んだ二日後には、二人揃って教会へと行き婚姻の書類へとサインをして正式な夫婦となったのだ。
結婚式は、ルージュがオパール公爵邸への引っ越しを済ませてからとなった。
ルージュは、オパール公爵邸へと引っ越す前日にディーンとカイル、カイル、アイルに挨拶を済ませた後自室へと戻った。
自室へ戻ったルージュは、一人考えていた。
(いよいよ明日か…明日にはここを出ていき公爵邸へと行くのよね…本当だったら平凡ライフを楽しむ予定だったのに…まだ、恋もしてないのにな…殿下とは元々愛だの恋だので婚約した訳ではなかったものね…それに、婚約破棄されるって知ってたからなのもあるか…今回の結婚は、本当に予想外の展開だけどお父様もお兄様もエミーまでもとても喜んでくれたものね…あんなに嬉しそうなのを見たら断るなんて出来ないものね…はぁ…公爵様と上手くやっていけるかしら…公爵家の皆さんもいい方だといいけど…何より前世の記憶によると、公爵様は自殺をして亡くなってる設定なのもあって全くどうなるか想像がつかないのよね…)
いつも明るい前向きなルージュだが、今回の事に対しては少し不安に思っていたのだった…
そんな少し不安を抱いたまま翌日を迎えた。
ルージュは、オパール公爵邸へと向かう前に父や兄へと挨拶をした。
「では…お父様、カイルお兄様、アイルお兄様行ってまいりますね…」
ルージュは、名残惜しそうなどのか寂しそうな表情で三人へと言った。
「あぁ…ルージュ気をつけるんだよ。オパール公爵様のご厚意でルージュは都合さえ合えばルージュの好きな家へ帰る事も構わないと仰って下さっているから安心しなさい。」
ディーンは、少し寂しそうな表情をしながら優しく微笑みながら言った。
「私は、大佐の邸には何度か伺った事があるから伺う際はルージュに会えると思うから…」
カイルは、にこりと微笑みながら言った。
「私は、ルージュが陛下から頂いた領地をきちんと管理しておくから心配しなくていいからな。」
アイルも、にこりと微笑みながら言った。
「お父様…カイルお兄様、アイルお兄様ありがとうございます…」
ルージュは、満面の笑みで微笑みながら三人へ言った。
「ルージュ様そろそろ…」
エミーが、ルージュへと声をかけた。
「ええ。わかったわ…今行くわ…」
ルージュは、エミーに言われ馬車の中へと乗り込んだ。
そして、ルージュは馬車の中でディーンとカイルとアイルが見えなくなるまで窓から三人の方を見ていたのだった…
(殿下との婚約の時には、二年後には婚約破棄されて戻ってくる事がわかっていたからここまで寂しい気持ちにはならなかったわね…今回は、もう既に結婚をしてオパール公爵家の人間になっているから余計に寂しいと思ってしまうのね…でも、公爵様はいつでも好きな時にパトリック辺境伯邸へと帰ってもいいと言ってくださってるみたいだし感謝しないとね…見た目は前世の極道の組員の皆に負けてないくらいの強面だけど優しい方の様ね…)
ルージュは、馬車の中でそんな事を考えていた…
そんな風に色々と考えているとあっという間に、オパール公爵邸へと到着したのだった。
到着すると、門の前にはランドルと執事とメイドらしき人物が立っていた。
ルージュとエミーは馬車から降りて、三人の前まで歩き近づいた。
「この度は、わざわざ公爵様直々にお出迎え頂きありがとうございます。また、こちらのエミーを侍女としての同行に家族へのご配慮にも重ねてお礼申し上げます。ふつつか者ですが、末永くよろしくお願いします。」
ルージュは、カーテシーをしてランドルと彼の後ろにいる二人に向かって挨拶とお礼を言ったのだった。
「いや…急な話であったし…その…少しでもルージュ嬢には過ごしやすい環境をと思ったので…」
ランドルは、しどろもどろしながらルージュへと応えた。
「まぁ、旦那様の言われていた通り綺麗で素敵なお嬢さんなこと!さぁさぁ、この様なところで立ち話もなんですから中へとお入り下さい。」
ランドルの後ろにいた女性がにこにこと微笑みながら言った。
「こらっ、アンジー余計な事を言うな。さぁ、ルージュ嬢中へ。後ほど改めて紹介するがこのアンジーとグレイが部屋へと案内し、邸の中も案内する様にと言ってあるので少し部屋でゆっくり休んだ後にでも案内してもらうといい。私は、まだ仕事が残っているのでそれが終わり次第話をするとしよう。」
ランドルが、少々たじたじにアンジーへと言うとすぐにルージュの方を向きルージュへと今からの動きを伝えたのだった。
「はい。畏まりました。よろしくお願いします…」
ルージュは、応えた。
そして、ルージュはチラリとランドルを見た。
バチッとランドルと目が合ったが、ランドルが慌てて目をそらせた。
(あらっ…また耳が赤くなってるわね。もしかして、緊張して照れているのかしら…本当にあのがたいにあのお顔で耳を赤くしてるだなんて可愛らしいわね…ふふ…)
ルージュは、ランドルのそんな姿を見てクスっと笑いながら思っていた。
一方、ランドルは……
「旦那様…顔がニヤついておいでですよ…」
アンジーが、横目でランドルを見ながら小声で言った。
「いいじゃないか…アンジーや…坊ちゃんの長年の夢みていた事が現実となったのだから…それは、あまりの嬉しさにニヤけしてまったのだよ」
グレイが、ニヤりとした表情でアンジーへ小声で言った。
「二人共、黙らないか。ルージュ嬢達に聞こえてしまうだろう」
ランドルが、焦ったように二人へ小声で言った。
「「はいはい…承知しました。」」
ランドルに言われた、アンジーとグレイはクスクスと笑いながら言った。
そして、邸の中へと入ったルージュは早速部屋へと案内された。
ランドルも、残った執務を片付ける為に執務室へ向かった。
執務室に着き机へと向かい椅子に腰掛けた。
椅子に腰掛けたランドルは…
「ふぅ〜」
と、言いながら机の引き出しを開けて中から一枚のしおりを取り出したのだった。
そのしおりは、よつ葉のクローバーを押し花したしおりだった。
ランドルは、そのしおりを眺めながら昔の事を思い出していた。