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4.家族の説得

ルージュの前世の記憶どおりに、皇太子サミエルとの婚約が正式に破棄された。


「ルージュ、アイル。家に帰ろう…この場に居るだけで気分が悪くなるからな…明日は、カイルも家へ帰宅する予定だから今日中にカイルに今日の事を手紙で伝えておく…」



ディーンは、未だに納得いかないといった表情でルージュとアイルへ言うとカイエルの方を向いた。


(お父様、まだ怒ってるわね…でも、私は全然平気でむしろ助かってるからいいのよね…帰ったらお父様に怒りを鎮めてもらわないとね…)


ルージュは、ディーンの横でディーンの表情を伺いながら思っていた。



「陛下…皇后殿下…今日の話についてはまた後日、お話に伺ってもよろしいですか?」


ディーンは、少し低めのトーンでカイエルと皇后ベリーへと尋ねた。



「あぁ…パトリック辺境伯、後日改めてこの件については話をするとしよう…ルージュ嬢もパトリック辺境伯も今日は本当に申し訳なかった…」


カイエルは、気まずそうな表情でディーンとルージュへと言ったのだった。



「「それでは、失礼致します…」」



カイエルとベリーに向かい一礼をしながら、ディーンとアイルとルージュは挨拶をした。


三人が、挨拶をして大広間を出ていく為に扉へと向かった。

扉へと歩いていると、周りからは他の貴族達が不安そうにコソコソと話をしていた…



その内容は、どれもルージュが皇太子妃ではなくなるという不安の声…

ナール嬢が皇太子妃になるという不安と不服の声…

身勝手に婚約破棄を言い渡した皇太子が将来、皇帝となる事の不安…


などの声ばかりだった…


それもそのはずだった……



ルージュが、サミエルと婚約してからの二年間でルージュは皇后教育をしながらもその他に色々な公務もやりこなし、皇太子妃としての務めをしっかりとやっていたからだった…



そのルージュとの婚約破棄が、言い渡されたのだかは今後に対する不安が囁かれても不思議ではなかった…



そんな、周りのコソコソとした会話を耳にしながらもディーンとアイルとルージュの三人は、気に留める事なく扉を開けて大広間を後にしたのだった…





王宮から戻った三人は、早速ディーンの執務室へと行き話をしていた…



「ルージュ…大丈夫か?すまなかったな…二年前に私が婚約の話を断っていたらこの様な事にならなかっただろうな…」


ディーンは、話を始めるなりルージュへ申し訳なさそうな表情でルージュへ言った。


(お父様、まだ気に病んでるわね。私は全然平気だけど。)


ルージュは、ディーンの申し訳なさそうな表情を見て思った。



「お父様、そんな顔しないで下さい…私は大丈夫です。強がりなどではなく本当に大丈夫です。確かに、このニ年間は大変な事も沢山あったけれど皇后教育で身につけた事は無駄な事ではありません。それに…婚約時に陛下に出していた"万が一、婚約にあたりパトリック辺境伯家が不利になる事があった際は陛下から領地を一つ頂く"という条件もこの度陛下はのんで下さる事にもなりました。ですので、今回の婚約破棄の事を引きずるのはやめましょう。」



ルージュは、ディーンやアイルにニコリと微笑み二人の事を思いながら伝えた。



「「ルージュ……」」


そんな、ルージュの言葉にディーンもアイルも呟いた…



「しかし…この婚約破棄が原因でルージュが今後嫁ぐ事に影響するかもしれないと考えると、アンジュにも申し訳なく思うよ…」



ディーンは、寂しそうな申し訳なさそうな表情をしながらルージュへと言った。



「お父様…嫁ぎ先がなかったらなかったで、お父様やお兄様と一緒に過ごせますしパトリック辺境伯家の為にも沢山の貢献ができます。それに、この二年間で出来なかった事をこれからは当分したいなと思ってるので。お母様も生きていたら、きっと気持ちを切り替えましょうと言っていたはずですよ。」



ルージュは、持ち前の明るさでニコニコと笑いながらディーンが安心する様に言った。



「ルージュ…そうだな…。気持ちを切り替える事は大事だな。私もまた、ルージュと過ごせる事が出来て嬉しいからね。」



ディーンは、頷きながら笑顔を浮かべてルージュへと言った。


「そうだね…ルージュがそう言ってるのに、いつまでも私達がこんな気持ちではいけないね。明日は兄上も帰ってくるから久しぶりに家族水入らずで過ごそう。」



次兄のアイルも、笑顔を浮かべて優しくルージュへと言った。



「はい。お父様、お兄様。」



ルージュも、笑顔を浮かべて応えた。



(よし!これで、明日からは平凡ライフに向けて本格的に動けるわ。陛下から頂く領地を素敵な領地にして平凡ライフを楽しんでいきましょう。楽しみだわ。)



ルージュは、ディーンとアイルの気持ちを落ち着かせる事が出来そんな事を考えていたのだった。



そして、ルージュはディーンとアイルとの話を終えて自室へと向かった。



自室に戻ると、自室の前にはルージュの侍女のエミーが待っていた。


エミーが、ルージュが部屋へ戻ってきた事に気づいた。



「ルージュ様〜!」



エミーが、ルージュを見つけるなり大声で叫んだ。



「ん?エミー?エミーどうしたの?そんなに大きな声を出して…」



エミーが大きな声を出して自分の名前を呼んでいる事に驚きルージュは言った。


「ルージュ様…聞きました…一体どういう事ですか?皇太子殿下との婚約破棄だなんて…しかも…殿下の身勝手な行動だそうで…一体何を考えてらっしゃるのですか?ルージュ様が今までどれだけ…婚約が決まってから頑張ってきたことやら…なのに…」



エミーは、怒りをあらわにした様な表情でルージュへ言った。



「あらっ…もうエミーの耳にも話が入ったの?!エミーあなたの言いたい事はわかったから少し落ち着いてちょうだい。私は大丈夫だから…それよりエミーには手伝って欲しい事が沢山あるのよ。」



興奮気味のアミーへ笑顔で、落ち着く様に言い話を持ちかけたのだった。



「???手伝って欲しい事ですか?」



エミーは、ルージュに言われて一旦落ち着くと不思議そうな表情でルージュへ尋ねた。


「ええ…とりあえず私の部屋で話しましょう。」



ルージュは、笑顔でエミー言ったのだった…


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