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33.ルージュの奮闘

ルージュは、どうにかナイフを使い腕の縄を切った。


ルージュが、腕の縄を切ったことに男達は気づいていない様だった。


ルージュは、回りを見渡した。


(とりあえず…男達は銃は持ってはいないみたいね…剣も見たところないわね…持ってるとしたらナイフぐらいかしら…他に何か武器になる物はないかしら…)


ルージュは、男達を見て回りを見渡しながら考えていた。


「おいっ…そろそろお楽しみの時間といこうぜ…」


男の一人が、ニヤニヤとしながら言った。


「ああ…そうだな…この体で俺達を十分に楽しませて貰おうぜ…泣き叫んでも止めてやんねぇぜ…ひひ…」


もう一人の男も、気持ちの悪い笑みを浮かべながら言った。


「さぁ…こっちへ来い!」


男の一人が、ルージュの腕を掴み立ち上がらせ様とした。


その時……


ルージュは、男の一人の腕を掴み股間を思いきり蹴飛ばした。


男は、一瞬の出来事に抵抗できず股間を思い切り蹴られて蹲っていた。


「こいつ…いつの間に縄を…調子に乗りやがって!このくそアマが!」


もう一人の男が、怒りを露わにひてルージュへと飛びかかってきた。


すると、ルージュは飛びかかってきた男を上手く護身術でかわしてすぐそばに落ちていた木の棒を瞬時に拾い、思い切り男の股間を木の棒で叩き上げた。


「うぅ……」


股間を、思い切り叩きあげられた男は蹲り鈍い声を出したのだった。


(前世で教えてもらった、キクさん直伝の股間攻め…男相手にはこれが一番いい攻めの方法って言ってたわよね。本当だったのね。効果ありだったわ。)


ルージュは、蹲っている男達を見ながら思っていた。


「さてと…とりあえずはあなた方の手は縛らせて貰ますね…」


ルージュは、そう言うと男達の腕を自分の腕に巻かれていた縄を使い縛った。


「それで…ここは一体どこなのですか?」


ルージュが、男達をへと問い詰めた。


「チッ…教える訳がないだろう。俺達をナメるな。」


男の一人が、吐き捨てる様にルージュへと言った。


(まぁ…そう簡単には口を割るわけないわよね…かといってナイフで脅すのも気が引けるものね…という事はやはりあの手しかなさそうね…オパール公爵家の領地から三十分ほど離れた山の中のようだから上手くいけばラン様に気づいて貰えそうね…)


ルージュは、口を割らない男達を見ながらそんな事を考えていた。


そして、小屋の扉を開けて外を見た。

そして、扉を閉めて部屋の中をもう一度くまなく見渡した。


「何か…燃えやすい物はないかしら…」


ルージュは、そう呟きながら小屋の隅まで使えそうな物を探した。


「おっ…おいっ!燃えやすそうなものって…ここを燃やす気なのか?正気か?」


ルージュの、呟きを聞いた男の一人が焦ったようにルージュへと尋ねた。


その問いにルージュは、ニコリと笑みを浮かべただけだった。


「おい!応えろ!」


男が、怒りを露わにしながら言った。


それでも、ルージュは男の言葉には耳を傾けず燃えやすそうな物を探していた。


その時に、小屋の隅にあった少量の薪を見つけたのだ。


「やったわ。薪だわ。量は少ないけれど他のものと一緒に燃やせばより燃えそうね。」


ルージュは、薪を見つけて嬉しそうに呟いた。


「おいっ…やめろ!火なんてつけるな。おっ…俺達が悪かった。謝るからここを燃やすなんてしないでくれ。」


男の一人が、ルージュの行動に焦りを見せながら言った。


「はぁ…」


ルージュは、男達を見ながらため息をついた。


そして、男達を無視して灯を持って薪を外へと持ち運んだ。

そして、薪を上手く積み上げてその中にルージュが入れられていた麻袋を詰めた。

そして、ブーツの底に隠し持っていたマッチを取り出した。

マッチを擦り火をつけて、麻袋へと引火させた。


麻袋についた火は上手く燃え、薪にも上手く火が移ったのだった。


あっという間に、薪が燃えて煙が上がった。


「薪が少量だから、燃え尽きるのは時間の問題ね…それまでにこの煙をラン様が気づいてくれるといいのだけれど…」


ルージュは、ぼそりと煙をみながら呟いた…



ルージュが、一人奮闘している頃…ランドルはオパール公爵家の領地周辺を馬を走らせ探していた。

そして、ルージュがいる山の周辺を回ってる時にランドルが何かに気づき馬を止めた。


「あれは…」


ランドルは、山の中の方を目を細めて見た。


「どうした?何か見つけたか?」


急に、馬を止め山の方を見ているランドルにマークが言った。


「あれを見てみろ…山の中にかすかだが煙が上がっていないか?」


ランドルは、そう言うとに山の中の方を指さしてマークへと言った。


「どこだ?……あっ…本当だ。かすかだが煙が上がってるぞ。」


マークも、目を凝らしてよく見て言った。


「あそこへ、ルージュがいるかもしれない。煙が上がるという事は何かが燃えてるに違いない。急いで煙の方へと行こう。ルージュが危ない!」


ランドルは、焦るようにマークへと言った。


「そうだな…急ごう!」


マークが応えた。


そして、二人は馬のスピード上げて山の中へと入っていったのだった。


山の中では、薪の火が消えつつあった。


「そろそろ、薪も限界そうね…やっぱり煙で気づいて貰うなんて無理だったのかしらね…となると、どうしようかしら…中の男達も捕まえなきゃいけないから置いては行けないしね…」


ルージュは、火が消えそうなのを見て一人呟いていた。


その時、パカッパカッと馬の蹄の音がした。

ルージュは、その音の方を見た。


(馬?ナール様が戻ってきたのかしら…)


ルージュは、馬の蹄の音を聞き息を飲み込み声を出さずに音のする方へ耳を済ませながら思っていた。


すると…


「ルー!!ルー!!いるのかー?!」


ランドルが、ルージュの名前を叫んだ。


ルージュは、ランドルが自分の名前を呼ぶ声が聞こえた。


「ラン様ーーー!!」


ルージュは、つかさずランドルの名前を呼んだ。


その時、馬の蹄の音がどんどん近づいてきて暗闇の中から馬に乗ったランドルが現れた。


「ルー!!」


ランドルは、ルージュの姿を確認するなり急いで馬を止め馬から降りてルージュの元へと駆け寄った。


「ラン様…」


ルージュは、安心した様な表情でランドルの名前を呼んだ。


「ルー…あぁ…無事で良かった…怪我はないか?ルーを連れ去った奴らはどこだ?あぁ…本当にルーなんだな…本当に無事で良かった…」


ランドルは、ルージュを無意識に思い切り抱きしめて声を震わせながらルージュへと言った。


「ええ…私は無事です。必ずラン様が助けに来てくださると信じてましたから…見つけてくださりありがとうございます…ラン様…」


ルージュは、ランドルに抱きしめられ驚いたが優しく微笑みルージュもギュッと抱きしめ返したのだった………

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