不思議の国のミスティフィカ 登場予定人物紹介エピソード 2
マッチ売りの少女
「マッチはいりませんか。マッチはいりませんか。」
クリスマスの夜、少女はマッチを手に、行きかう人々に声をかけます。
ふと、少女の頭に父親の言葉がよぎりました。
「マッチを全部売ってくるまで家に入れんぞ!ごまかしてもわかるからな!」
父親は酒に溺れ、毎日少女を殴っていました。
街ではクリスマスの買い物を済ませた人々が家に向かっています。
少女が窓から中をのぞくと、暖炉を囲んで楽しげにする家族が見えました。
「うう…寒い」
寒空の下、少女は売れないマッチに火をつけて温まろうと考え、マッチに火をつけました。
しかしマッチの火はあっという間に消えてしまいます。
「これじゃあ火が足りない…」
少女はマッチを大量に取り出し、目の前で火をつけました。
火はどんどん燃えあがり、近くの家に燃え移りました。
住人は逃げ遅れ、焼死しました。
「なんてきれいな火!それにとってもあったかい」
少女は喜びました。
家へ帰るとまたマッチに火をつけました。
やがて雪が降り、火は消えて中から父親の焼死体が見つかりました。
少女は少し悲しい顔をしました。
「マッチがなくなっちゃった。父さんがいないと新しいマッチがもらえない…」
少女は家を後にし、マッチを求めて町へ行くことにしました。
「やっぱりマッチの火が一番」
今日も少女は火をつけます。
もっと温かい火を求めて…