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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

少し気になっている男子が女の子になった

作者: エンゼ

息抜きに書きました

良かったら見てってください

 拝啓、天国のお父さん。



 少し気になっていた男子が女の子になっていました。



 ……なんで?







 ──────────







 青木忍くん。私と同じクラスの男子で、あんまり目だってない男の子。眼鏡を掛けてて、運動はあんまり得意じゃないみたいだけど頭はよくて、テストでクラスの最上位の一人の常にキープしていた。


 気になったきっかけは偶然席が隣になった時。忍くんはあんまり周りと話をしてないからか評判はそこまでよくなくて、隣になってしまった私は軽く同情されてた。

 私としては仲が悪くなるというか、なんとなく嫌われるのが苦手な人間だから忍くんの様子を伺いながら、よろしくね、の一言を出来るだけ優しく告げた。


 その時、忍くんは…


『よ、よろしくね。夜桜さん』


 ぎこちない笑顔で、少し噛みながら返してくれた。


 か、かわいいっ!


 なんだろう…小動物に感じるような妙なかわいさ。他のクラスの男子にはないようななんともいえないかわいさがそこにあった。

 あ、そうか。忍くんは人と話すのが苦手なんだ。だからあんまり人と話さなかったんだ。うん、そうに違いない。私と少し似ているから。


 それでなんとなく気になっちゃって、これから積極的に話しかけてみよう! と決意した。決意───してたんだけど……私、男の子が苦手なんだ。


 嫌悪感とかそういうのじゃなくて、なんとなく怖いっていうもの。昔、お父さんが男の子とあんまり仲良くしないでくれって言いながら男の子の怖いところを長々と話していたからだと思う。

 原因は分かっているし、男の子ってダメなところばかりじゃないっていうのも知っているけど…怖いものは怖い。


 だから結局話しかけることは出来なかった。私と忍くんが似ているっていうのはこういうことで、私は男の子限定で苦手意識が働いて、忍くんの場合だと人に対して苦手意識が働いてるってこと…のはず。


 親友のつーちゃんにアドバイスとか助けとか貰いつつ頑張ってきたんだけど…今の今まで成果を挙げることは出来なかった。


 今日こそ頑張るぞ! と決意を決めて二日ぶりに学校へと向かうと……なんと、忍くんの席にある一人の女の子が座っていた。


 驚きで身体が硬直してしまっていた時、私に気が付いた女の子が私に挨拶をしてきた。


『お、おはよう』と、苦笑いのような笑みを浮かべ、噛みながら言ってくるその子を見て、なんとなく目の前の女の子が忍くんと重なって──思わず、忍くん? と呟いてしまった。


 すると女の子はびっくりしたような表情を浮かべて私を見てくる。よくよく見てみると本当に忍くんそっくりで、本当にそのまま忍くんを女体化したかのような感じだった。


 話しかけて事情を聞くと、なんと土曜日の朝にはこうなっていたらしい。病院にもいったけど理由がよく分かってないそうで、でも身体には特に異常というか、悪いところはないみたいだから、血を取るだけにして帰されたそう。


 その後学校に説明して、なんとか女子用の制服を用意してもらって今に至るらしい。そういえば私が来たときから忍くんをクラスどころかクラス外の人まで見ていたような…


 口下手な私は本当に他人事のように大変だね…としか言えなかった。もっと口が上手く回ればよかったのに…




 ──ということなんだよ、つーちゃん。私はどうすればいいのかな…


 どうすることもできないって? うん、そりゃそうだよつーちゃん。私その方面には詳しくないし。

 私が言いたいのはねつーちゃん。忍くんの助けになれないかなぁって。うんそう、心の支えってやつ。


 前にも話したけど、私と忍くんって似てるでしょ? だから放っておけないんだよね…かわいいっていうのも勿論あるけど。


 でも、つーちゃんも知ってるよね? 私男の子が苦手なの。簡単に話しかけることが出来たらそりゃ苦労しないよ…今までつーちゃんのアドバイスを活かせなかったし。


 うん、そこは本当にごめんね。私も分かってるんだけど……うん、ごめんね。


 え、朝? 私が事情を聞いてる時はあんまりビクビクしてなかったって?

 あれ、そうかな…っていうかつーちゃん見てたの? あ、そこは置いておくんだ。んじゃ置いておくね。


 うーん…あ、確かにそこまで勇気を出してなかったかも。うん、つーちゃんほどではないけど、他の女子と話す時とあんまり変わらないぐらい自然に話しかけれたかもしれない。何でなんだろ…


 …なんでつーちゃん呆れてるの。単純なことだろって? いや、忍くんは男の子で─────あ、そうだった! 今は女の子だった!!


 こんな当たり前のことになんで気が付けなかったんだろ…そうだったよ、私女の子の見た目だったら大丈夫だった。昔つーちゃんが男装してくれた時は逆にビクビクしてたもんねぇ私。

 …あれ、これ言わない方がよかった? もう言わない方がいい? うん分かった。つーちゃん怖いからもう言わない。


 なるほど、今は忍くん女の子だから普通に話しかけれる…うん! いけるね!

 ついでに今までのアドバイス全部活かせるよ! よし、これで忍くんともっと仲良くなれるぞ…!!


 アドバイス本当にありがとねつーちゃん! いつも助かってるよ!


 お互い様? あはは、そう言ってくれるとホントに嬉しいよ。じゃ、また次の休み時間ねー! つーちゃんも授業遅れないようにしなよ!








 ──────────────────────








 拝啓、お父さんとお母さん。



 僕がちょっと気になっている隣の子は女の子が好きなのかもしれません。



 なんか…複雑な気持ちです。

TS百合って…いいよね

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