現実より地獄だ、、、、
「君は一体誰なんだ、、、どこへ行く気だ、、、、」
私はそう叫びながら光に纏われた
「アタシの名前はダキニ、あなたを探していましたよ、、、、タケル君アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」
彼女がそう叫ぶと、あたりの景色が変わった。ここは宮殿だろうか。高い天井にシャンデリア、ドアを開けると長い回廊がある。インドのようなアラビアのような異様な雰囲気を持つ宮殿だ。
遡ること30分前
「はぁ、今日も仕事かぁ、辛いなぁ、でも働かなきゃ食っていけねぇし」
私は小言を言いながら家を出た。
「ねぇ、タケル君、アタシ誰だかワ・カ・ル???」
突然彼女は現れ、そう言い残し、走り去って行った。
「待て、待つんだ、君は一体誰なんだ、何故私の名を知っているんだ。」
私は、さけびながら彼女を追いかけ続けた。彼女どこかで見たことあるような気がする、そんなモヤモヤした気持ちを抱えながら、走り続けた。そしてようよく足を止め、こう言い放った。
「タケル君、懐かしいね。追いかけっこ、こんなにやったのいつぶりだろうネ。君は何も覚えていなかもしれないけど、私は覚えてるよ。」
なんのことだか、全くわからない。でも、このモヤモヤする気持ちはなんなんだ、、、、
そして現時刻
「はて?どちら様かしら。」
ここの主だろうか。
「ワタクシの話、聞こえてますか? 呆けた顔して、どこのどいつよ、アンタ。ここはワタクシのお父様の宮殿よ。アンタみたいな、愚民が来るところじゃないのよ。もう。」
王女らしき人物は、かなりイライラしてる感じだ、どうするのが、正解なのだろうか。
「申し訳ございません。私白取剛と申します。何かこちらが迷惑をおかけしてしまったようで、、、」
ここは、取引先へ謝罪するような感じで応対すれば、大丈夫だろうか。
「ふーん、中々面白いじゃない。気に入ったわ。警備!、こいつを尋問して、宮殿からつまみ出して。必ずどうやって入ったのか聞き出して。」
世の中そこまで甘くない、そう思いながら、別室へ連れていかれた。警備の人に殴られ、蹴られ、ここへ来た理由も説明したのに、信じて貰えず。そして、私は、絶望に駆られていく。どこまでもどこまでも。
「はぁ、、もう僕ここで死ぬのかな、、、もう会社も遅刻確定だし、、、美少女にのこのこついてってこんな目に会うなんてついてなさすぎるよぉぉぉ、、、」
そんな僕を無視して、尋問は続く。しかし、突然、部屋のドアが急に開いた。そして、警備の尋問の手が止まり、
「お嬢様、、、、、、、」
「ダ、、キニちゃんか?」
近ずいてくる彼女は首を振り、
「僕の名前は、朝間 長美。ここの家の長女。僕の妹が世話になったみたいだね。ところでダキニちゃんって誰のこと???」
そういう彼女の姿は、ダキニちゃんに似ている。肌の色も顔立ちも体格も似ている。別人なのだろうか、性格はこちらは快活で、ボーイッシュだが、あちらは、悪役令嬢という感じだ。
「まぁ、ゆっくり話してくれればいいよ。当分ここで暮らしなよ。幸い、部屋もいっぱい余ってるし。」
「これは、どういうことですの。」
さっき私をこの部屋に入れた女だ。
「咲ィ、別にいいじゃんか。こんなことしたって、答えは出ないよぉ。それに、彼嘘つけなそうじゃーん。」
「お姉様がそう言うなら、、、、でも私は緩すぎると思いますぅ、、、」
「それに、僕彼に興味あるなぁ。なにか今の王国の状況を打開できる策を持ってるかもしれないじゃーん。」
「・・・ふん!いいですわ。ワタクシは反対ですからね。だいたいお父様にはなんと説明しますの!?」
「うん、いいよ、何か問題が起こったら、僕の皇位を譲ってあげるよぉ。」
「うぅ、、、」
微笑ましいレベルじゃない姉妹喧嘩だなぁと眺めていると、
「じゃあ、君ぃ、武器は使える?」
突拍子なく、私に話題が来た。
「は???え????」
「だからぁ、武器何が使えるのって聞いてるの。僕は。」
何を言っているのか分かるが、わからない振りをしたい衝動にかられれる。
「お姉様、正気ですの?得体のしれないものに武器を持たせる気ですの?」
「僕がただで、彼を家に入れるわけないじゃん。パパも新しい護衛って言えば許してくれるでしょ。」
長美は正気なのだろうか。酷い目に会わされたばかりだが、妹の咲に同情してきてしまった。
「君、剣は使える?使えるね!じゃあ、剣にしよう。これ、あげる。大事に使うんだよぉ。うふ。」
長美の笑いが妙に怖いが、受け取るしかない状況になってしまった。剣道をやったことはあるが、真剣なんて扱ったことなんてないし、そもそも刀と剣は扱い方違うだろうな、そんな葛藤に悩まされながら、受け取った。
ーご主人様のご帰宅です!!早く準備を!!ー
執事であろう方の声が宮殿中に響く。
「我輩の知らぬ臭いがする。虫でも入り込んだか?」
「パパァ、新人の護衛さんを雇ったんだ。」
「では、手合わせ願おうかな?」
「は、はい?」