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to be continue ?
俺は振り返り、仲間に呼び掛けた。
場が落ち着いた、一度だけの静寂が訪れる。
「皆の衆聞いてくれ。
これより我が国の王、我は降伏する。
か弱い者を痛め付け、武力行使で支配する国はいずれ滅びる。
我を恨みがましく思う者が居るだろう、それがほとんどだとも思う。
その上で申し訳ない。我は降伏する」
阿鼻叫喚かと思いきや皆呆気にとられていた。
ましてや、一番瞳孔が開いていたのは姫だった。
首を振り、すがってくれる仲間を止める。
「最期まで着いてきてくれた忠誠心、感謝する」
そして相手を見、一直線。伝えたかった言葉はもう遅かった。
「願わくば、またいつか」
自分だけに聞こえる音量。
でもそれが良かった。
聞かせては困らせるだけだ。
初めて出来た想い人の名は、由香。
来世まで記憶を持っていけるだろうか。
なら、良いのにな。