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「随分長い間振っていますが大丈夫ですか?」


ここまで案内してくれた女性が口角をひくひくさせている。


てっきり売り場に戻ったものだと思っていたが、端の方で何も言わずこちらを見ていたようだ。


周りで一緒に試用していたと思われる人達も手を止めじっとこちらを見ていた。


「……そうだな、振りやすい剣も見つけたし、これを買うことにするよ」


「かしこまりました。では、お買い上げ頂ける商品を持って出入口付近の会計場までお越しください」


ありがとうございました、と頭を下げている。


その横を通り過ぎて会計場へと向かう。


不意に後ろを振り返ると、女性はこのフロアにいたと思われる男性店員に声を掛け、二人で両手いっぱいに持つようにして回収していた。


店員に言われたとおりに、アルフォンが使っていたような量産品の剣を会計場に持っていく。


銀貨三枚と思っていたより安く済んだ。


金貨を山のように持っているので、お釣りはチップとして渡しておいた。


さも当然と言った表情で懐にしまう様子を見て、この世界では当たり前の事だったのかと初めて知った。


それもそのはずこの世界の人と一緒に買い物をしたことがないのだから。




武器屋を出ると買ったばかりの剣を腰に下げる。


ここに来てようやく初期装備が揃ったという感じがする。


今後は一人で依頼をしなければいけないことも考え、回復アイテムを買いに道具屋へ行くことにした。




道具屋には色とりどりの液体が詰まった瓶や花、木箱など多種多様な品が陳列されている。


武器屋とは違い、店内は綺麗に磨きあげられており、壁や床はワックスを使った後のようにピカピカと光が反射している。


清潔感に溢れ、キラキラしているため女性がとても多い。


男性客は女性と一緒か複数人で固まって来店しており、自身のように単身ではいないように見える。


この前ここを見た時は男性客も普通に来ていたのだが、間が悪かったのだろうか。


来てしまったものは仕方ないと踏ん切りをつけて、あの時アルフォンが渡してくれた赤いポーションを探す事にした。




赤いポーションを見つけることは出来たが、薄い赤、赤、紫、青、薄い青と五種類もあった。


エプロンを着た女性がいたので聞いてみると薄いものは色が濃いものに比べて効果が弱く、紫は赤と青の効力があるそうだ。


赤いポーションは体力が回復するのに対して、青いポーションは魔力が回復するそうなので、紫は二つのいいとこ取りをしている、高性能なポーションである。


ただ、値段が高く多くの人はあまり買っていかないようで、大量に在庫があるみたいだ。


ここには鞄は売られていなかったので、雑貨屋に寄ってからもう一度来るといい、道具屋を後にした。

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