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キュレルはこれからアルフォンやミリーの家族に遺品を渡しに行くそうなので別れた。


さっき果物をたくさん食べ過ぎたせいでお腹がすいていなかったので露店で声を掛けられるも何も買わずに武器屋に向かった。



武器屋の場所は少し前に散策したので難なく着くことが出来た。


店内には筋骨隆々の人が多くとてもむさ苦しい。


入り口には安価品と貼り紙がされた樽に大量の武器が詰め込まれている。


他の商品より安いのは一目瞭然なのに客は見向きもしない。


樽の中に自身が探している戦闘で使えそうな剣を見つけ、その中の一本を手に取る。


それは鞘に細かな無数の傷が入っていて見た目が悪い。


それを樽に戻し、あんまり傷がなさそうな物を手に取る。


今度は鞘は綺麗であったが引き抜こうとすると何かに引っかかっているのかうまく抜けず、力ずくで抜いて壊れてしまったら嫌なので、諦めて元の場所に戻した。


この安価品の樽は恐らく売り物になりそうにない商品が詰められているため、客がいない所か見向きもしないのだと納得した。


その場を離れ、戦闘に使えそうな武器を探し始めた。



この武器屋は建物から棚まですべて木材で作っているので所々ささくれ立っていることかそれなりの年数営んでいることがわかる。


商品も両手で使うような太刀もあれば、アルフォンが使っていた片手で使える量産品のような剣、レイピア、短剣から包丁まで陳列されていた。


包丁は場違い感がすごかったが、その隣に刀のような片刃の武器も多数売られている。


多種多様の武器を見てどれが使っていて格好よく見えるか悩んでしまう。


「お悩みでしたら振ってみますか?」


線の細い女性が気を利かせて声を掛けてきたので試用させてもらうことにした。




店員にも手伝ってもらい商品を数本持って、地下に向かって木製の階段で降りる。


時折、ギシギシと軋んでいてここも年季が入っているようだ。


壁には松明が掛けられており辛うじて足元が見える程度の明るさしかなく、足を踏み外さないように慎重に降り続けた。



ようやく目的の場所に着き、足元から正面に目を向けるとだだっ広い空間が広がっていた。


そこは来るまでとは違い、外のようにとても明るい。


そして何人か自身と同じ目的だろうか武器を振り回している。


彼らの邪魔にならないように端の方に移動して、持ってきた武器を一通り素振りしてみてから決めることにした。




それから二時間後__


休むことなく様々な武器を振り回していたにも関わらず、汗どころか息切れもない。


その様子をいつの間にか周りで同じように武器を振るっていた者たちは手を止めて見ている。


持ってきた武器も残すはアルフォンの使っていた種類の量産品の剣のみとなり、他の武器と同じように振り回す。


ナイフで果物を弄ったように、剣を使ってやれることを夢想しながら振り回し続けた。

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