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昼の投稿が遅くなり大変申し訳ありません。
私用にて若干時間が前後することが御座いますが何卒ご容赦のほどよろしくお願いします。
また、明日の午前零時に次話を投稿致します。今後ともよろしくお願いします。
ギルドは既に混雑していた。
依頼掲示板にたどり着くのも一苦労だろう。
そんなことを思いながら入口で突っ立っていると、火の賢者という言葉が耳に入るようになりこちらを見る視線も徐々に増えてくる。
まだなにも成していないのに火の賢者という渾名だけが独り歩きしているようで気持ち悪い。
「あの、もしよかったらチームを組んでくれませんか?」
かなり幼い顔立ちをした少年が声を掛けてきた。
彼は服装は男物の皮鎧であるが腰まで届きそうな髪を束ねており、なんだかあべこべな印象を受ける。
腰には身長にあっていると思われる剣が下げられている。
「ぼくたちはリザードマン退治に行こうと思ってるんですけど、どうですか?」
「……これまで戦ったことがないから足を引っ張ってしまうかもしれないけどいいかい?」
現世にいた親戚の子どもに話すような姿勢で話す。
「火の賢者様なのに戦ったことがないんですか?」
少年が不安そうな声を出す。
しかし、それは冒険者登録した時に付いた渾名なだけで、本人としては炉に火をつけた程度しか働いていない。
なのにそんな風に言われるのは心外だ。
「……君はここで働き出してからどれぐらい経つんだ?」
「え?えっと2年ぐらいですね」
「なら冒険者初心者に戦いのいろはについて教えてくれないか?先輩?」
この世界に来てから現世の時に比べて短期になったような気がする。
多分転生する前に能力を貰えたのが大きな要因だろうと思う。
こうやって売り言葉に買い言葉を毎回繰り返していたらどうなってしまうんだろう。
まあ、追随を許さない能力さえあればどれだけ傲慢になったって問題ないだろう。
__少年は嫌味を含めていたが先輩と呼ばれたことが嬉しかったようで、任せてください!と言い残し彼の仲間を呼びに行った。
その壁にもたれかかり一部始終を見ていた男性がこちらを見てフッと笑みを零すと、まるで何事も無かったかのようにフードを深く被ってギルドを後にする。
それに替わるように少年が2人の少女を連れて戻ってきた。
少女たちは少年より少し年上のようで、無垢な印象を受ける。
「今日は一日よろしくお願いします。ぼくはアルフォンです。彼女たちが仲間のミリーとキュレルです。」
ミリーは身体にアルフォンと同じような皮鎧だが、胸元が少し膨らんでいて、腰には短剣が数本下げられている。
対してキュレルは鎧ではなくローブを着ていて全体的に少し大きめのようでダボッとしている。
「カケルだ。よろしく」
手短に挨拶を済ませギルドから出るとそのまま大通りを東に突っ切りローレライの街を出た。