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偏差値70は最強じゃない!  作者: 鮫の歯
第一章 華炎の国
43/56

偏差値31.5 サブ タピオカチャレンジ

……という仕組みが魔力を用いた実験により証明されました。御清聴ありがとうございました」


パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!

若い研究者に拍手がおくられた。


ここは科学大国スキエンティア。

今日は若い研究者中心の研究発表が行われた。

ジャンルは様々で魔法や魔法を用いた実験、科学のみの基礎研究など、たくさんの研究の結果が報告された。


もちろん知識の神、プロメテウスも聞いていた。

プ「いやーよかった。将来が期待できる若手がたくさんいて嬉しいよ」

「プロメテウス様に誉めていただけるとはこの上ない光栄。これからも指導していきます」


プ「うん、頼むよ」


プロメテウスが学会から退場しようとすると、携帯電話が鳴った。

プ「誰だ……? ………パンドラか」


プロメテウスはおくられたメールの内容を読むとマントを翻し、消えた。





パ「ああ……この! ………くそっ!えぃっ!…………そこそこそこぉ!……よしっ!」

ここはやはり東京のゲームセンター。パンドラは慣れ親しんだ台で格闘ゲームをしていた。しかし、夢中になって背後に忍び寄る男に気がつかなかった。


プ「こらっ!人を呼び出しておいてゲームしているんじゃない!」

パ「あたっ!……あーーーーーーー!」

プ「おや、負けてしまったようだね。すまないことをしたな」

タイミング良くプロメテウスのチョップがパンドラの脳天にあたった。

パ「こっのぉ!あんた絶対狙ってやってるわよねぇ!これ何回目よ!」

プ「人を呼び出しておいて自分だけ楽しんでいるからだよこっちだってヒマじゃないんだよ?」

パ「ムゥ。まぁいいわ。で、付き合ってくれる?」





プ「頼みってこれか?」

パ「そうよ! タピオカミルクティーよ!」

プロメテウスはパンドラに誘われある人気タピオカ店の行列にならんだ。

プ「急いできて!って言うから来たのに……こんなことに時間をとらせないでくれ。」

やれやれ、とでも言うようにプロメテウスは額に手を当て頭をふった。

パ「こんなこと? 私にとっては一大事よ!女が一人で並んでいたらぼっちとしか思われないじゃない!」

プ「旦那と来ればいいじゃないか。」

パ「エピちゃんは『俺が行ったらからかわれる』っていってきかないのよ。それで兄さんを呼んだの。」

プ「むぅ……あいつなら言いかねんな。」

パ「でしょ~?でもそこががいいのよね~~*たまんない!」

プ「ハハ……ラブラブで良かったよ」


「お待たせしました!タピオカミルクティーお二つです!」


パ「さてと……席は空いてないかしら?」

パンドラは嬉しそうにタピオカミルクティー受け取った。

プ「すごい人気だな。一時間も待たされるなんて……」

パ「今日本で大流行なのよ。噂を聞いて私も飲みたくなっちゃって。それより席を探してくれない?」

この店は店内にテーブルがあって半分喫茶店のようになっている。

二人が混雑しているなか席を探していると、

「おーい!こっちに来なよ!空いてるよ!」

手をふって二人を呼ぶ声がした。


パ「タ、タルタロス!?」




タ「いやー奇遇だね。君たちも飲みに来たんだ」

タルタロスはいつものスーツ姿ではなく黒色がメインの爽やかなボーイッシュな服装だ。チェーン(自前)がアクセントになっていて周りの女性達もチラチラ見ている。


プ「私はパンドラの付き添いだ。呼び出されて仕方なく、ね」

タ「へぇ~パンドラが。」

パ「~~~何よ。あんたこそ何でここにいるのよ?」


タ「ぼくは趣味の散歩だよ。流行ってるって聞いていたからちょっと立ち寄ったのさ」

パ「立ち寄る?あの行列をよく並ぼうと思ったわね。」

するとタルタロスは少し笑って

タ「なにちょっと鎖でつつけば行列なんてすぐ解消されるよ。」

パ「………何したのよ?」

タ「フフ………」

プ「まぁまぁ。それより味はどうだい?パンドラ」


パ「(チューッ)……普通のアイスミルクティーじゃない。これがなんなの?」

タ「…………!!!!!」

プ「!!!!!!???」

二人に戦慄が走った。


パ「え………二人ともどうしたの?」

タ「パンドラ………もしかしてタピオカがなんなのか知らないの……?」


パ「ぐ………なんなのよ!」

プ「どうやら本当に知らないようだね………タピオカは底に沈んでいる黒い粒々だよ」

パ「あ!これ?これを飲むの?どーりでストローが太いと思った!」


タ「…………ちゃんと調べてから来なよ」

パ「うぅ………そ、それで!兄さん!タピオカって何なの?」

プ「タピオカは熱帯などで栽培されるトウダイグサ科のキャッサバっていう作物からとれるデンプンを練ったものだよ。ブラジルの先住民のトゥピ語でそう呼ぶらしい。とれたデンプンを練ったものを乾燥させたものをタピオカパールと呼ぶ。結構きれいだよ。タピオカミルクティーは台湾で生まれてアメリカや日本で今人気だね。実はタピオカはこういう団子状にして食べるだけでなく他の食品に混ぜる増粘剤に使われたり、紙の強度を高めるため、パルプにまぜたり…」


パ「ご、ごめん兄さん!もういい。聞いた私が悪かった」

タ「知識の神だもんね~~」

プ「おっとすまない。悪い癖で……」

パ「まぁいいわよ。(チューッ)! ゴホッ!」


プ「どうしたパンドラ!」

パ「いや……あの、勢いがよすぎて吸い込んだタピオカが……」

タ「クックックッ!バカだねぇパンドラ!」


パ「何よ!あんただって初めて飲んだときなったでしょ!」

タ「いいやww ぼくはパンドラとは違うからね。そんなことはしないよwww」


パ「くっそ~~」

プ「あはは……ところで最近どうだい? タルタロス?」

タ「聞かなくてもご存じでしょ? 楽しくやってるよ。新しい部下がかわいくてね~~からかいがいがあるんだよ!」

プ「ほう。そりゃよかった。」

タ「それに、ソウタくん。この子も面白いしね。」

プ「!!」

パ「!!」

パンドラは飲むのをやめた。

パ「そうだった。なんであんたはソウタくんと契約を結んだのよ!あやうくバレそうになったのよ!」

タ「バレる? ぼくが関わっている限りそんなことはないさ。たまたま呼ばれたからさ。カグツチがソウタくんに召喚を教えようとしたらしい。」

パ「たまたまって……それでも契約を結ばなくてもいいじゃない!」

タ「まぁそうだけどぼくをだますほどだからね。それにそんな面白いことを黙って見ていられるわけないだろ?」

パ「面白いって………私は必死なのよ?」

タ「わかってるって。別に悪いことはしていないだろ?あの指輪はぼくの鎖をつかっている。魔力漏れや彼の魔力器官のメンテはこの三年間はぼくがしているんだよ?むしろ感謝してもらいたいね。」


パ「あんたの仕業だったのね……ソウタくんのところにいってもおかしくなかったのは。」

タ「そうだよ。ついでにラコンのメンテもしてあげているんだ。まったく。どんだけの魔力をあげたんだ?」

パ「いいじゃない。大は小をかねるっていうし」


プ「私も最初ソウタくんたちに会ったときおどろいたよ。魔力量がソウタくんだけでパンドラを越えているし、ラコンという竜人も分け与えられてそこらの神以上なんだもの」


タ「プロメテウスは大丈夫なのか?」

プ「私はティタン族だ。流石にソウタくんを超えているよ。」

パ「どのくらい?」

少しバカにされたのが悔しかったのか、パンドラは畳み掛けるようにいった。


プ「…………ちょっと。」

タ「プフッwwwwwww」

パ「威張るほどじゃないじゃない!」

プ「ンンッ! まぁ魔力の多さ=強さではないからな。」



しばらく三人で話しているとタルタロスがいいだした。

タ「ね、パンドラ?タピオカチャレンジって知ってる?」

パ「タピオカチャレンジ?何をチャレンジするの?」

プ「タピオカミルクティーを胸のうえにのせてそのまま飲めるか?ってことだよ。胸の大きい女性ならできるんだけどそれも流行っているらしい。SNSでやってる人も多いよ。イラストも」


パ「へぇ~~ってそれ私にやれってこと?」

タ「そ!パンドラはそこそこ胸あるしいけるかな~って」

パ「む。馬鹿にしてるな?そのくらい、わけないっ…………あっ!」


胸に乗ったが飲もうとしてバランスをくずしたミルクティーをタルタロスが間一髪、鎖でおさえた。


タ「wwwwwwwやっぱダメだったか~~ww」

パ「(`^´) あんたはそんな笑うほどの胸はないでしょ!ぺったんこじゃない!」

タ「クックックッ!仕事の時邪魔だからとっているんだよ。……ほらっ!」

タルタロスが鎖を服の中にいれて出すとタルタロスの胸がふくらんだ。タピオカチャレンジには十分な大きさだ。


パ「クッ……それは反則よ!あんたに胸があるなんて聞いたことなかったわ!」

タ「別にわざわざ言うほどのことでもないしね」

パ「うぅ………ロリのくせにっ!」

タ「ロリ巨乳は正義」

パ「くそがぁぁぁぁ!」

タ「ほらっ!タピオカチャレンジ成功!あーおいしいなぁーーー!!」

パ「ちくしょう!!!ゼウスめ!!!!」








パンドラが嘆いている頃、ソウタは異世界で貞操の危機にさらされようとしていた。

本人はまだ気づいていない。


続く。






流行りを追う作家の鑑。



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