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偏差値70は最強じゃない!  作者: 鮫の歯
序章 始まりの村
23/56

偏差値20 メンデル スキエンティア

 「やあ!いらっしゃい!ケイくん!ソウタ君!」

ドアを開け笑顔でメンデルさんは迎えてくれた。

今日はメンデルさんに招かれたのだ。

ちなみに、今は冬。といってもまだ初冬だが。

「寒かったでしょう?早く中に入って!」


パンゲア商会のひとだから豪華なのかと思いきや家の外装も内装も普通だ。

玄関も・・・石造りで普通だし。

「あっ靴は脱いでから上がってね」

「えっ?あ、はい。」

(え?靴を脱ぐなんて・・・やっぱりメンデルさんは変わってますね。)

(そう?俺のいた世界、いや居た国では靴をぬぐのは当たり前だぜ?)

(へぇ~別に靴は脱がなくてもいい気がしますけどね。)


メンデルさんに案内され、ソファーに座った。

メンデルさんの助手のコレンスさんがお茶を持ってきてくれた。

「どうぞ~ゆっくりしてってね~あっ驚かないでね?」

「驚く?」

「ああもうコレンス!言っちゃってバレたら意味がないだろう?  あ。」

「・・・」

コレンスさんがいやあんただよと非難するかのようにメンデルさんを見る。


「よししょうがない!Alex。戻してくれ」

え?

「了解しました。内装:オリジナルに変更します。」

天井から合成音声が聞こえた。明らかに、人間の声ではなかった。

「ええ?どこから?誰?」

ケイが慌てて周りを見る。少しすると壁や天井、家具がバタンバタンと音をたてながら裏返っていく。これは・・・

「どうかな?ソウタくん。ケイくん。」

家の内装はすべて白や黒を基調とした()()風のものへと変わった。

「内装:オリジナルへの変更を完了しました」

「ありがとう。Alex。ふふ、どうだい?驚いたかい?」

さっきまで木でできた家具に石壁だった部屋が金属とプラスチックの家具にコンクリートの壁に変わり、メンデルさんはメガネを光らせながら得意そうに笑った。


ケイがパニック状態になったのでなだめてから、

「まあ驚きませんよ。元の世界では当たり前の光景ですし。まさかこの世界にもあるとは思わなかったので少し驚きましたが。」

「ふーむ。そうか。ソウタくんの世界にもあるのか・・・あとで報告しておこう。」

「え?」

「いや何でも無い。で、ケイくんはどうだった?」

「いやまずあの声はなんですか?Alexってだれですか?どこにいるんですか?え?あと壁と家具が裏返」

「OKまず落ち着こう。ソウタくんまず説明してあげて。」



おそらく30分後・・・


「はーなるほど!そんな便利なものが!」

「そう。家庭用人工知能「Alex」に命令して家具や壁をもとに戻してもらったのさ。最初のは来客用兼飽きちゃったとき用だよ。あーでもケイくんの反応は予想通りだけどソウタくんがなぁ・・・まあ予想通りだけどもうちょっと驚いてくれると思ったんだけどな。」

「別にそんな驚きませんよ 人工知能くらい。・・・あ、そうじゃなくてなんで人工知能があるんですか!」

「ふふふ・・・やっと気づいたね。実は今日君を招いたのはこのためなのさ。」

「このため?」

「私はパンゲア商会の者であるのは知ってるだろうが、実は『スキエンティア』という国の出身なんだ。そして『スキエンティア』はこの世界で唯一、『科学』をもつ国なんだ!」

「ええ!」

「フフ。その反応を待ってたよ。そしてその科学力は君が居た世界と同じなのさ!」

「えええ!?」

俺が居た世界・・・てことはメンデルさんはこっちのことを知っている・・・?

「俺が居た世界って・・」

「そうだよ。例えばドイツが開発したミサイル、それをもとに作られたロケット、迎撃ミサイル、核ミサイル・・・他にもドローンやスマホ、パソコンにテレビ・・・ああ歴史も、国連ができたことや社会主義、資本主義・・・他には・・・」

「もういいです。わかりました。」

「ふっふっふ。まぁつまり、君の世界のことは全て知ってるよ。そして同じ科学力を持つのが私の故郷、『スキエンティア』さ。ちなみにAlexやこの家はスキエンティアで開発されたものだよ。」

えっと・・・つまり・・・ええ?

「ふふ。少し混乱してるね。なんで私が君の世界のことを知っていて、なぜ人工知能を作れるほどの科学力を持ってるか、説明してあげよう。」



まず「スキエンティア」はこの大陸にはなく、別の大陸にある国なんだ。

あ、ココで驚いた?知らなかったか。

である神様を祀ってるんだ。名は「プロメテウス」、人類に火を与えたとされる神。

神様でありながら神々を裏切ったとされる神だね。

プロメテウス様は実在しているんだ。あるときふと思ったんだ。自分の国がほしいと。

科学を発展させ続ける、ずっと研究している国が欲しくなったんだ。

でも、この世界では科学は発展していない。魔法は発達しているけどね。

そこでソウタくん、君が居た世界に注目したんだ。あそこから科学者を連れてくればいいじゃないか! そう思いついたんだ。

そこでパンドラ様に相談した。君が連れてこられたから知ってるだろうけど、パンドラ様は

二世界の行き来を管理している女神様だ。そしてパンドラ様はプロメテウス様の義理の妹なんだ。パンドラ様の夫がプロメテウス様の弟、エピメテウス様なんだ。

もちろんパンドラ様は快く引き受けた。しかし問題があるんだ。生きた人間をそのまま連れてくることはだめなんだ。君は連れてこられたけど・・・  死んでいる人間、つまり幽霊なら連れてきてもいいんだ。だからまだ科学への未練があってさまよっている科学者の霊たちを連れてきて転生させたんだ。

その人達が力を合わせて建国したのが「スキエンティア」さ!


なぜソウタくんの世界のことを知ってるかというといわゆる「留学」をするからさ。

パンドラ様が一年に二回、スキエンティアの研究者を数人、世界を超えて留学させるんだ。

そのときに最先端の科学技術や世界情勢などいろいろな情報を待ち帰ってくるんだ。

それで知っているんだよ。


でなんで私がここセルト村にいるかというと私が「偉人」だからさ!

そんな痛い人を見ているかのように見ないでくれ。

「偉人」というのは輝かしい発明、研究をした者に与えられる称号さ。

私の名前に「スキエン」というのが入っているんだがこれが「偉人」の証明だ。

私はこの村で育てている「オオ麦」、まだココでは育てていないがいろんな作物を品種改良してね、「偉人」の称号を得たんだ。

「偉人」はね、スキエンティアの外に出ることができるんだ。それでこのセルト村のようにのどかなところで農作物を作りながら研究しながらスローライフを過ごすのが夢だったんだ。

普通の人は出られないんだ。勝手に科学技術を持ち出して商売を始められたり、国を作って反乱を起こされたりしたら大変だからね。


ちなみに私はあの「メンデルの法則」で有名なグレゴール・ヨハン・メンデルの孫なんだ。

正確にはグレゴール・ヨハン・メンデルがこの世界で転生して、その孫だよ。

本当の孫は君の世界にいるんじゃないかな?

グレゴール爺さんはね、修道院で研究していたんだけど全然認められなくてね、友人にも「メンデルの法則」を否定されたんだ。だけど死後、西暦1900年にここにいるコレンスのおじいさん、カール・エーリヒ・コレンスが再発見したんだ。他にも二人くらいが同時に再発見したんだったかな?

ま、ふたりとも未練があって死後意気投合してね、幽霊のままさまよっていたところをパンドラ様に連れてこられたんだ。で、今に至るんだ。


「へえ~一気に説明されてまだ理解しきれないなぁ・・・」

「ふふ。まあだんだん分かるよ。でね、今日招いたのはソウタくんにひとつお願いがあるんだ。」

「なんですか?」


「報告します。地下室でラコン様が暴れております。対処を要請します。」

またAlexの声だ。あ、ラコンのことを忘れてた。

「まぁた暴れているのか。コレンス、先に行ってくれ。」

「メンデルさん?ラコンがなんで地下室に?暴れているって・・・? 」

「う~ん。ソウタくんもついてきてくれるかな?昨日からラコンさんがねえ、落ち着かないんだ。」

「・・・!何かラコンにしたんですか?」

ラコンは竜人だし、何か怪しい実験でもしているのか?

「違うよ。別に変なことはしてないさ。とにかく地下室に来てくれないか?」


続く。








センター試験が終わったので投稿しました。

やっとタグ人工知能、近未来回収できた~


次の話もメンデルさん家でのお話です

ラコンの身に一体何が?

乞うご期待!

(次回更新は3月頃を予定しています)

ブクマor評価ポイントくれるともっと早いかも?

© 2018 鮫の歯

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