セイなる夜のプレゼント
閲覧ありがとうございます。
「おまたせ、柑奈」
「全然待ってないわ、理子」
「それじゃあ、行こうか。……クリスマスデート」
「ええ!」
私は、星花女子学園という私立の中高一貫校の中等部三年に所属している、網橋理子。十二月二十五日の今日は、二つ年下の恋人である秋村柑奈とクリスマスデートに繰り出していた。
◆
「今日は楽しかった。ありがとう、柑奈」
「ふふ、アタシも楽しかった」
あのあと、喫茶店に行ってダブルストローでのひとときを楽しんだり、お互いに服を買い合ったり、夜のイルミネーションを見たりした。けれどそんな楽しい時間も、もう終わる。寮生である柑奈と自宅生の私は、同じ夜を過ごすことはできない。
……と、いつもならそうなる。
けれど、今夜は聖夜。そして……私達学生は冬期休業中。
よって。
「……柑奈」
「……なに?」
「……ちゃんと、伝えてきた…………?」
「……もちろんよ。『今夜は理子の家に泊まる』って、親に伝えてきたから。……だから、理子が欲しがってた誕生日プレゼント、あげる」
そう。今日はクリスマスでもあり、私の十五歳の誕生日でもある。
私が、恋人にねだったのは………………。