次に行うべき行動
三話目です
「うわぁぁぁっ!」
俺はドアを開けた瞬間、そう叫んだ。
この状況は叫ぶしかないだろう。
ドアを開けると、バラバラになった死体が目に飛び込むのだ。
俺が居た家よりも損害が激しく、また吐き気が襲ってくる。
ここで吐くと服につくなど、いいことは無いため、なんとかこらえる。
誰がこんなことを……
そして、この街は一体なんなんだ……
何もわからない。
ひとまずここに居ても意味がないため、バラバラになった死体に手を合わせ、
家をでるのだった。
俺は一縷の望みにかけて、ずっと歩き続けていた。
もちろん俺が望んでいるのは、誰か俺以外の人間に出会うこと。
しかし、まだその望みは果たされていない。
しかも、眩しい太陽が、俺の体力を奪っていく。
精神も身体もそろそろ限界だった。
俺は誰もいない道路に寝転がった。
少し暑いが、体は楽である。
俺は、ネクタイを外し、第一ボタンを開けて、少しでも涼しくなるよう行動する。
「はぁ」
疲れた…
俺はそう思いつつも次に何をすべきか考えた。
「次に行うべき、最善の行動は……」
''別の街に行くこと''
それで、この街に何が起こったのかすぐ聞くのだ。
その後に他の質問をすればいい。
今は状況把握が大切だ。
さっき、街のマップの看板らしきものがあったな
「よし、行くか」
そう言って俺は少し回復した体を起こし、看板に向かって歩くのだった。
看板は、最初にチャイムを鳴らした家の近くにある。
なんだかんだであまり気にしていなかったが、今思えば、とても重要な行動だった。
はぁ、まだまだ冷静さが足りない。
まぁ、あの状況で冷静になるまで、どれくらいかかるかわからんがな。
そんなことを考えているうちに、看板にたどり着いた。
メモをとるものはないため、必死に覚えようと、集中した。
まず、マップを見てわかったことは五つ
①この街の名前はスチテック
少し古臭い名前だ。
②街の形は円である。
中央に広場があり、それを中心に住宅が円状に建てられている。
③この街には法律がない
どういう意味かはわからないが、察するにこの街は荒れている街だったのだろう。
今は誰もいないが・
④電車があり、それを使うと隣街へ行ける。
これは俺にとってありがたい話である。
移動手段があると、体力の消耗も少なくて済むしな
⑤俺の居た家は危険なところであること
マップの俺が居た家のところにバツ印がついている。
そこにさっきまで居たと思うと背筋が震えた。
そこそこいい情報を手に入れられた。
この中で一番重要な情報は④だろう。
この街にいるのは精神的に参るとこがある。
だから、隣街に行きたいのだ。
これで、次の行動についてわかった。
俺はトランクケースを持ち、頭に入れたこの街のマップを頼りに駅へと向かうのだった。
しかし、それは自分をさらなる絶望へと陥れてしまうことをまだ知らない。
ブックマークや感想待ってます!
次は土曜日でーす