目覚め
頑張って書きました。
よろしくお願いします
俺は誰なんだろうか?
この物語の主人公?それとも、近所のお兄さん?それとも、宇宙人?
俺という存在はこの世界の何者なのだろう…
俺はいつも考えてたんだ……
「かはっ!」
俺はそう言って目を覚ました。最悪な目覚めである。
何か悪い夢でも見ていたのだろうか?
それならば、このベッドが汗で湿っているのも理解できる。別に部屋自体は暑くないからな
当分このベッドは使えないなと思いつつ、昨日何をしたのか思い出そうとする。
ここまで、汗をかいたのだ。よほどの出来事があったはずだ。
だが………
「うっ!あぁぁぁぁぁ」
なぜだかわからないが、過去「きのう」を思い出そうとすると頭が引きちぎられるような痛みに襲われる。
俺はあまりの痛みに両手で頭をおさえた。
しかし、その行動に意味はなく、痛みが引くのを待つしかなかった。
おかしい…
俺は少し痛みが引いたところで思考を巡らせた。
言葉は覚えているのに、それ以外のことは全く思い出すことができない。
名前ですらもだ。
それはあまりに不可解なことであった。
いわゆる違和感というものを感じたのだ。
言葉では表現することが難しいが、何かがズレているような感覚といえば分かるだろう。
その違和感は記憶だけではないようだ。
体がなにかおかしい。
目立った外傷はなく、体もしっかり動くのだが……
何かが違う……
まるで、自分じゃない、他の誰かの体を使っているようなのだ。
まぁ、あくまで比喩だがな。本当にそんなことあるわけがない。
顔だけはいつもの感じの、そこそこ整った感じで、一重っていうところは違和感がなかった。
「ふぅ…」
目覚めに考え事はさすがにきつかった。
一番働かない、朝の時間に考えてもわからないに決まっている。
俺はひとまず思考を放棄し、部屋の中を見渡した。
そして、大変なことに気づく。
「あれ、ここどこだ?……」
普通なら、最初に気付くはずのことを全く気づいていなかった。
不覚……
そこで、俺は部屋がどんな風になっているのか確認しようと行動を開始した。
まず、部屋の主な器具は三つしかない。
俺よりも少し小さい鏡と、さっき俺が寝ていたベッド、部屋の隅に置いてあるクローゼットだけである。
クローゼットの中には、服が入っていることは確認済みだ。
汗のせいで気持ち悪いシャツを脱ぎ、入っていた綿のシャツに着替えた。
また、少し寒かったため、これもまたクローゼットに入っているワイシャツを着て、
寒さ対策をした。
そして、俺は緊張しつつも、部屋からでるためのドアに手をかけた。
俺は今、監禁?されているかもしれないのだ。
慎重にドアを開けるべきである。
さっき、痛みのあまり叫んでしまったのはまぁ、仕方ないってことで。
気づかれなくて幸運だった。
そして俺は、一呼吸おき、一気にドアを開けた。
そこで、見たのは地獄のようなものだった。
たくさんの人が死んでいたのだ。
老若男女関係なく……中には赤ちゃんまでもがいた。
無惨な姿であったが…
ある人は、目や歯がなかった。
また、ある人は腹部をバッサリと切られ、小腸が飛び出している。
またまたある人は……
見るに堪えない異常な光景、一生見ることはないはずの光景だ……
もうとにかく、ひどい場所だったのだ。
だが、不思議と腐敗臭は感じなかった。
ということは…
つい最近殺されたということだ。
まさか、ここの家は殺人鬼が住む場所なのだろうか?
いや、それならば俺はもう死んでいるはずだ。じゃあなんで……
少なくてもここに居ては、気分が悪いし、情報を得ることができない。
俺は、死んだ人たちに手を合わせ、リビングと思われる場所へ向かった。
冷静を装ってはいるが、俺は、相当精神に来ていたのだった。
俺は吐き気に耐えつつ、なんとかリビングにたどり着いた。
リビングはかなり綺麗で、塵ひとつない。
それを見て、安心したのか、さっきまで耐え続けていた吐き気が一気に爆発した。
苦しいが、吐くことによって少し気分が良くなった。
のどはヒリヒリするがな…
俺は、のどを抑え、水道に向かった。
さすがに、吐いたあとの口は気持ち悪いのである。
そして、水道につき、備え付けであろうコップをとると、なにか紙が落ちてきた。
不安な予感しかしない……
それでも、俺は水を口に含み紙を拾って読んでみた。
内容は……
「こ、これは!!……」
そこには、俺の名前と、これからすべきことが書いてあった。
まず、俺の名前は、フィルエル・ストイレス
みんなからは、フィルと呼んでもらえと書いてあり、
次に、と言っても最後だが、これからすべきことは……
死者の蘇生方法を探すこと
そう書いてあった。
どう反応すればいいのだろうか?
これはイタズラなのか?それにしては、何故か信憑性のある感じなのだが…
死者の蘇生、それは禁忌であり、犯してはならないものではないのだろうか?
人間は限りある命だからこそ、精一杯生きようとするはずなのだ。
しかも、そのような難しいことを俺に頼むとは…
なにか、俺にしかできないことがあるのか…
俺はどうすればいい?
顔も名前もわからないやつの言う事を聞くのか?
普通なら、そんなことはしない……
だけど、俺は……
調べて見る価値はある。
それに俺の過去だってわかるかもしれない。
ここに居たって、嫌な気分だし。
「やってやるよ、死者の蘇生の方法見つけてやるよ!」
無理やり言い聞かせた感じではあるが、やる気は出てきた。
こうして、俺の長い一日が幕を開けたのだった
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