表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/36

二十六戒:新人祭り(3)

祝、読者数5000突破。

ありがとうございます。今見ている皆様に感謝の言葉を。届けばと……。

 僕は一人空を行く。魔物を飛び越え、魔物を足蹴にし、ゴールを目指す。

 卑怯? 否、これは正しい方法なのだ。魔物を倒すことが本来の目的でなく、ビーチフラグが本来の目的であるが故、僕はその点では有利な位置にいる。そう、時を少しだけ操れるからである。

『おぉっと、全体を見渡しても1コースの少年が、突出している。っと、名前はラジェルタ。ラジェルタ選手が一位です』

 魔方陣音声が僕の有利を告げる。

 進むにつれて、陣は多くなり、敵も増える。自分の数メートル前に陣を敷き、魔物が出現した瞬間に発動、道を開けろと指示するが如く、僕は魔法を発動させる。

「おい兄ちゃん、見に来たぞ〜」

 観客席におっさんの集団が、さきほど僕に食料をわけてくれた優しき人だとすぐに気づく。

 僕は再開に感動し、立ち止まり手を振って対応するが、立ち止まるなんてバカ同然だった。

「バ〜カお前、来てっぞ! 」

 後ろを見ると、僕を追い越していく長髪の男、目は死んだ魚のようなやる気の無い目をしている。

 平行移動しながら相手を観察する。どうやら傭兵らしい、身のこなしが団体戦というよりかは、個人戦で大人数を相手にしている人間の身のこなしをしている。

 僕は神の力を行使し、少しずつ間を空けていく。

『第2コースは少女が独走、第3コースは大男と青年が並走中、第1コースのラジェルタ君は、パフォーマンスの余裕を見せながらも一位、その後ろに男が迫るが、この五人は二回戦進出決定か? 』

 放送の内容からして、スコーン仲間は順調に歩みを進めているらしく、安心しながらリズムよく、敵の頭を超えていく。

 だが、このまま終わるわけが無い。最後の関門が待ち受けているのだ。

 大きな陣が発光し、目が眩みそうになるが、光を腕で遮って全身を続ける。

 出現したのは大きな魔物、身の丈人の三倍にして、役六メートル弱。

 思考、判断。殺るっきゃない。

 体にみなぎる魔力を感じ、まだ戦えると判断すると、魔物の腕が降ってきた。一度後退し、その腕から肩に昇り、頭から地面に落下、同時に陣を高速展開。

 出来るだけ魔力を押さえ、この魔物を倒すには、全体的な衝撃による圧迫、広い背中全てを覆うような陣を展開、自分でも驚きながらも、魔力を放つ。

 僕の後ろを着いてきた男は、僕から見て左の肩から飛んでやってきて、僕は追いつかれまいと走り出す。

「ギャーーー! 」

 誰かが下敷きになったようだが気にしない。僕は一番でフラッグを奪取。

 続いて長髪の男、疲れきっている目つきの悪い男と、1コースの三つの旗はこの三人に握られた。

『さてさて、続いて二回戦、二回戦は一回戦の敗者が誰か一人、コイツに負けたのは気に入らないやつを一人決定、つまり、準決勝に進めるのは六名だ。時間は一時間だ〜』

 ん、どういうことだろう、僕たちは何をやれば良いのかわからない。

 そうだ、少しだけ魔力を消費してしまったため、回復をしておこう。何もやらないよりかはましだ。

 魔力は掛け算で、陣の二重展開により、魔力を回復することが可能なのだ。

 かといって、一時間もかかるわけでもない、すぐ終わってしまいまた暇になる。

 すると、この戦いの真意を知ったかのように、目つきの悪い男が僕に襲い掛かる。つまり、潰せばいいという単純な考えなのだろう。

 が、僕は逆のこれを利用しようと思う。こちらからは攻撃をせずに、神の力を使い、単純に回避を続ける。

 道化のような動きを踏まえ、観客を盛り上げることをしていると、笑いが起こる。男は余計に機嫌が悪くなる。

 結果、僕と、何もしていない長髪の男が準決勝に進出。が、長髪の男は僕のペースにつられ、一回戦ではしゃぎすぎたと棄権していき、僕は更に暇になった。

『さてさて、いよいよ決勝戦です。1コースから、ラジェルタ・ハイデンツァ〜。2コースからブレッド・サーゼス』

 スコーン仲間のブレッドさんだ。身長は小さめながらも、僕より一つ年上のようで、僕はさんをつけるようにしている。

『3コースから、ザムール・フォルトナー、この三人で決勝戦です! 』

 衝撃だった。ラグロスさんが、倒された?

 やってきたザムールと呼ばれた男は、今朝僕が倒す宣言をした南の国の男だ。

 ラグロスさんは弱くなかったはずだ。三十手前だったけど、軍警察第四課、雑魚の入れないとかセムさんから聞いていたが、あいつはそんなにも強いのかと、少し恐怖を覚える。

 が、何故だろう、今朝感じだ何かに近いものを、体の中に感じる。みなぎってくる何かが、僕は勝てるよ、って囁いているのだ。

「お手柔らかにお願いします」

「あ、こちらからもよろしくお願いしますブレッドさん」

 ザムールは、一人不適に笑っている。

『さてさて、いよいよ、待ちに待った、決勝戦の始まりだ〜』

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ