12 お昼。そして、妹と恋人はバトルします。
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(そういえば、スレンダさんのステータスはどうなんだろう? 勝手に見るのはちょっと申し訳ないけど……)
ユウが《簡易ステータス表示》をスレンダに使う。
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天職 【馬車使い】
能力 《馬車強化》《馬車加速》
パワー [800]
緊張 [3,000]
昂然 [600]
ロマンス [40,000]
相加平均 [10,120]
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【馬車使い】は馬車を操ることで力を発揮する天職だ。
能力にある《馬車強化》は、能力者自身が乗っている馬車を壊れにくく、また荒れた道でも走れるようにできる。
《馬車加速》は馬車が加速しやすくなるといった能力だ。
(【馬車使い】……初めて見た天職だ。能力から考えると、馬車に関係した職業なのかな?)
ユウの推測は正しい。
しかし、スレンダ自身はまだ自分の力に気がついていないようだ。
「皆さん。少し先に開けた場所がありますので、そこで一旦休憩を取りたいと思います」
「わかったわ」
『了解しました』
「……お腹空いた」
***
ユウたちは馬車を止め、今はお昼休憩だ。
シートを広げ、四人でお弁当を囲んでいる。
並び順はこうだ。ユウの左隣りはレイ、ユウの右隣りはミカ、ユウの目の前はスレンダとなっている。
「美味しいですね!」
「本当? 私が作ったんだけど、よかったぁ」
『ミカは料理が上手だよね!』
二人に褒められたミカはニヤケ顔を隠そうとするが、全く隠せていない。
ご機嫌上々なミカ様だ。
因みに、ミカは料理が得意だったりする。
それと、ユウはご飯は必要としないが食べることは出来る。
これがまた不思議で仕方ない。
果たして胃(?)の中へと消えたった食べ物はどこへと移動しているのか……。
「そうなんですか! すごいです!」
「そ、そんなことないよ〜」
「ふんっ……普通」
「何? 文句があるなら、言ってみなさいよ!」
ミカが褒められることを良しとしないレイは、ミカに突っかかる。
不味いと言わず普通と言っているあたり、ミカの腕前が窺える。
『二人とも、ケンカは良くないよっ。ご飯は美味しく食べよう』
「うん、ユウの言う通りね」
「お兄ちゃんがそう言うなら」
今回は止めることに成功したユウ。
しかし、まだまだ安心は出来ない。
問題は次々と起こるものだ。
「お兄ちゃん、あーん」
『え、ぁ、あー……「ちょっと待ったぁああっ!!」……』
「なに?」
「なに? っじゃないわよ! 抜け駆けなんて、この私が許さないだからっ」
レイによる“あーん”は不穏な空気をすぐさまキャッチしたミカによって防がれる。
ユウとしては口を開けて待ち構えていたのだが、こんな状況になってしまったので閉じられるものも上手く閉じれなくなってしまっていた。
ひとまず、口を半開きにしながらユウは恋人VS妹の口論を見届けることにしたようだ。
「お兄ちゃんに“あーん”するのに、何でミカさんの許可がいるの?」
「そ、それは、私がユウの恋人だからよっ!」
「ふーん、レイは実の妹だけど?」
先手はレイからのようで、如何やらレイの方がやや優勢に見える。
レイの放った「実の妹だけど?」からは、レイの自信たっぷりさが窺える。
よく見れば、レイの顔はドヤ顔なるものになっていた。
「実妹……いや、むしろダメね! 実妹には超えられない壁があるわ」
「……なに?」
一瞬のためをつくってからミカは口を開く。
「分からないなら、教えてあげる。それは、“恋愛”は出来ないってことよ!」
ミカは立ち上がり、レイをビシッと指さしながら言い放つ。
「恋愛とはつまり、ふつーにデートしたり、手を繋いでドキドキしたり、相手の好きなところを言い合って恥ずかしくなったりするってことよ」
「……ぃるもん」
「なに?」
「できるもん……お兄ちゃんと、イチャイチャ出来るもんっ!!」
「なっ!?」
レイはいつもの、ちょっと大人ぶった態度とは裏腹に年相応の少女らしい顔つきで反論する。
その瞳は若干うるんでいる。
そんなレイの反応に、ミカは思わず一歩後ずさる。
さすがに大人気なかったと思われる。
ミカもそれを分かっているのか、表情から見て取れるほどに反省しているようだ。
「れ、レイちゃん。私が悪かったわ、ごめんなさい」
ミカはしゃがみ、レイと同じ目線になってから謝る。
しかし、そこはレイ・クオリティー。
「貸し一」
「え?」
「貸し一で許してあげる」
「な、なんでそうなるの!?」
ミカの意見はごもっともだと言えるが、そんなものレイには関係ないのだ。
レイ様は絶対なのです!
終わりが見えかけたところで、再びバトルは白熱へと戻っていくように激しさを増す。
そんなバトルはある人物の行動によって、一瞬の間に終わりを迎える。
「ゆ、ユウさん。は、はいっ“あーん”……」
『あっ(パクッ)……うん、美味しい』
「うふふ」
「「あぁああああっ!!!!」」
まさに漁夫の利というやつだ。
スレンダは恥ずかしさを前面に出しながらも確実にユウの口へと料理を運び込む。
その顔は勝敗など微塵に感じてなく、花畑を舞う蝶のように華やかであった。
『二人とも、お弁当なくなっちゃうよ?』
「「お兄ちゃん(ユウ)のバカぁああ!!」」
レイとミカの声がシンクロして、ユウに怒号を浴びせる。
ユウのどこか抜けたところは何とかした方がいいと思う。ユウの身の安全のためにも。
村を出発してまだ数日。
この三人と御者一人、それと馬一匹の旅はどうなるのか……まだまだ長くなりそうである。




