04.ドッキリ?
ケンが飲み物を買って戻って来た。
抹茶とココアの究極選択をされたから、ココアを貰った。
ありがとうと受け取ってからしばらく沈黙が続いて、俺は自分の話を整理しようとした。
「なぁケン、一体何がどういう事なの?」
俺の今の状況と、ケンの存在、そして父さん母さんの言ったこと、理解しようと頑張ったが全く出来ない。
俯いた俺に追い打ちをかけるように視界に入ってくるケンの指輪。
「俺をはめたドッキリ....だよな」
横目でケンの顔を見た。何か考えているようだ。
そしてふっと息を吐き出した。
「はははっ」
「な、何だよ」
「おっと悪い悪い。んー....」
また考え出したように俺を見る。
本当にケンだ。最初誰かと思ったけど。
ケンはしばらくして口を開いた。
「最初にはっきりしとくな。これはドッキリでも何でもない」
ケンは続ける。
「かと言ってそう重く思う事もない。
まぁ単純に言ってみたら、お前は王族の血が流れた王家の血縁者だって事だけだよ」
だけだよって....その一言が重いんじゃねーか。
苦笑いする俺の隣でケンは考え、独りでに語りだした。
「遥か大昔の事だ。邪悪な闇に世の中が包まれていた。
人々は毎日のように荒れ狂い、食べるものもなく飢え堪え、人を殺して食べる事も頻繁にあった」
へ、へえ。
「その頃は王はいなかったんだ。
だがら代わりにそこに居着いた奴等がいたんだ。それが悪王率いる”反・王族集団”だー」