02.血の正体
《俺たち家族には、”王族の血”が流れているー》
「なんじゃそりゃ....」としか言葉が出ない。
「私たちは普通の人間とは違うのよ。王家の人間なの」
と、母さんは哀しそうに俯いた。
何言ってんだこの人、と自分の親に心の中で叫んだ。
「お前だけでも逃げてもらわなければならない。捕まったら全て終わりなんだ」
父さんは立ち上がると、俺に近づいて来て茶色の古びた鞄を手渡した。
「は?....へ?」
何の冗談だよ。
状況を把握出来ずただ立ち尽くしている。
「その鞄はお前がピンチの時開けるんだぞ。助けになる。早く行け!外でお前のよく知る人物が待っている」
「え、え....ちょっと待って。何、言ってんの?」
混乱している俺に父さんはニカッと笑って頭に手を乗せてきた。
「魁斗、一言言っておくぞ。レディは守るものだ」
は?
「今は俺達に守られろ。だがこれからはお前が守るんだ。レディ....いや、お前たちの世界をな!」
レディって言ったよな、おい。
ーーーガシャンッッッ!!
「「「!!!」」」
窓ガラスが勢いよく割れた。
黒色の破片のようなものがたくさん窓ガラスに混じっている。
「なっ何だ⁈」
「魁斗!行け!」
父さんの大声にハッとした。
父さんと母さんは窓ガラスの方へ、俺は玄関の方へ走った。
理由はさっぱり分からない。ちっとも理解できないけど、今は走るしかない....のか?
玄関を開けると、見慣れた顔の奴が目の前に立っていた。
何で、ここに
ケンが....?
「さあ急ぎましょう」
ええ⁈