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白い森の使者  作者: ゆきおんな
第二章
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冒険のはじまり

 新たにエルが加わった四人組、改め五人組は今日も平和である。あれから大きな事件という事件もなく、ただいま宿屋の食堂で美味しく食事中。






 「ところで、私たちは肩書き的には冒険者、なんでしょう?冒険はしないの?ギルドで出会ったとあるパーティーはなんか宝物を求めて一山越えてきたとか言ってたけど」


 エルが気になっているところである。

 先日ギルドを訪れたときに出会ったのである。「ザ・冒険者」といった風体の男女に。エルがそうだったら面倒くさいなと想像していた「冒険者」まさにそのままだった。

 エルはいかにもな「冒険者」になるつもりはさらさらない。採集や簡単な魔物退治くらいでいい。秘宝とか探険とか面倒くさい。



 

 ところが、


 エルの質問に一同が顔を見合わす。


 「それ、ナイスアイディアじゃねえか?」


 「そうね!最近ここらの魔物退治ばっかで飽きちゃったのよね」


 いいことを聞いたとばかりに一同が乗ってくる。雲行きが怪しくなってきた。



 「え、ちょっと待って」


 「おお、いいこと言うじゃねえかエル。ちょっくら冒険でもしようか」


 「いいねいいね!わくわくするよ!」


 「え……」




 かくして、一同の冒険が決まった。
















* * *


 ここは、緑の谷。彼らの拠点である宿屋のある街、アロンを出てすぐの場所である。その名の通り見事な緑色だ。ブルーテイル草原といい、アロンの周りはなにかと鮮やかである。



 「…ところで、どこに行くの?」


 意気揚々と街を出たはいいがどこに向かうつもりなのだろう。エルはとりあえず皆についてきただけである。





 「未定だ!」


 

 リックは明るく言い切った。



 (嘘だろう……)


 冗談だと皆の顔を見渡すエルだったが、一同は揃ってにっこり頷いている。


 「えええ…ちょっと…」


 「みんなであちこち行ってみようよ。そしたらすごい情報とか手に入るかもだよ」


 「そうだ。それだけでもう立派な冒険といえよう!」


 冷静に見えたバージルでさえ、明らかなうきうきが隠しきれていない。




 「とりあえずこの谷をずっと行くぞ!」


 リックの声とともに一同は緑の谷をひたすら進むのである。








 10分ほどただひたすら緑の谷を歩いていると、フランデルが小さな小屋を発見した。


 「こんなところに小屋があるよ」


 「あら、ログハウスというにはアレだけど結構素敵な小屋じゃない」


 「人が住んでいるのかな?」


 リックがドアをノックする。

 

 すると、ドアが開いた。





 「お客さんかな?」




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