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淡い光とともに
石畳に淡い光が瞬いた。
「…………………」
光の中から姿を現したのは長いローブを来た人物。ご丁寧にフードも深くかぶっている。
居合わせたのは、冒険者。
「なっ、なななっ?!」
「おまえ、なしかいってないぞ」
「お、おおおおちつけ」
「……お前が落ち着けな」
彼らは混乱していた。驚いていた。
この世界では、異世界から人が当然現れる、そんなことがないわけではない。とても珍しいがごくたまに現れるのだ。現に今の王家に仕えている騎士の一人は異世界人であることは周知のこと。
しかし、だからといって、目の前が光って突然人が現れるなんて。そんなまさか思いもよらないのである。
彼らが呆気にとられているそのあいだ、長いローブの人物はただ静かに立っているだけだったのだが、不意によろめいた。
そして彼は膝から崩れ落ちた。