9、ミッションリザルト2
サイコストたちが住む世界は、後に、超能世界と呼ばれる。二度にわたって超能力者間の戦争が行われたこの世界では、「第二次超能力戦争」の終結後、五人の英雄たちが、超能世界の戦争に対しての抑止力となっていた。
エイプリルベースと称された、ブレイカーによる地球侵攻作戦が行われた世界は、神翼世界と呼ばれた。圧倒的なまでの力を持った者達は、戦闘終了後、それぞれが療養、休暇の日々を送っていた。
そんな二つの世界の平和と静寂は、世界破壊によって砕かれた。
黒い亀裂を境目に世界は融合し、人々は混乱に陥る。それと同時に、それぞれの英雄の存在によって、図らずとも緊張状態となる。超能力戦争の英雄、魂波闘也は、戦争が再び始まることを恐れ、これの阻止に当たった。
そんな中、クリエイター側には一つのミッションが下された。そのミッションは、全人類の脅威にも成りかねぬサイコキネシストの殲滅を目的としたものであった。「オペレーション・サイコキル」と称されたこの作戦に依存のなかった神翼世界の英雄、矢倉潤は、己の力を存分に発揮し、戦闘に望んだ。
しかし、この戦闘で、予想もしなかったことが起こる。エイプリルベースの際にも、戦闘介入を行った者達が、再び舞い戻ってきたのである。主格は、ジャスティス・ファイア。その親友のジャスト・キライス。そして新たに参戦したエクロ・ライドの三人である。
ジャスティスは、潤にとっては絶対的な敵であった。潤の親友、船木勇は、エイプリルベースでジャスティスに殺されたのである。一度は討ったと思えた宿敵は、再び潤の前に姿を現したのであった。
我を忘れた潤は、戦線を離脱。ジャスティスとの一騎打ちにもつれ込む。ジャストとエクロにより、由利以外の四人はそちらに戦力を割かれることになり、文字通り、完璧なる兵力戦となった。しかし、由利は残っていたことが幸いし、サイコストはクリエイターの撃退に成功。戦闘は終了したのであった。
しかし、それからほとんど間を置くことなく、闘也たちに衝撃が走る。
クリエイターの組織、ロントより、「異世界結合戦争」の開戦が発表され、戦争は再び始まったのであった。
そして、まるでそれに呼応するように、一つの組織が参戦に名乗りを上げる。それは、カスタムサイコストで構成された組織、「カスタマー」の残党のカスタム、エスパー軍を裏切り、反乱兵として戦っているエスパー反乱兵士軍、そして、エイプリルベースを敗退したブレイカーたちの組織「ブレイク」。この三つの陣営が、軍事同盟を結び、新たに「ネオ・ブレイク」として参戦を表明したのである。
そして、開戦から三ヶ月の月日が流れた――。