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第2話:逆転の火球、チームの鼓動

1. 敗北の余韻と新たな決意

カイはストームクロウズの控室で、氷の床に突っ伏していた。

「くそっ…1-5って、NHLでも大敗じゃん…」

第1戦の炎帝団戦、1点取れたのは奇跡だったが、雷オーブの威力に圧倒された記憶が脳裏を焼く。カイの「オールエレメント適性」は発動したものの、魔法制御はド素人。火球を暴発させ、チームメイトを焦がした失態が尾を引く。

「新入り、お前の分裂シュート、確かに派手だったけどよ…勝てねえと意味ねえ!」

火フォワードのレオが、炎をチラつかせたスティックを振りながら吠える。だが、その目はどこか期待に光る。

「カイ、だったか。次はマシなプレー頼むぞ。」

風ゴーリーのハヤテはクールに言い放ち、風魔法で髪をなびかせる。氷ディフェンダーのユキは隅で震えながら、「また…燃やさないでね…?」と呟く。石ウィンガーのガンだけが豪快に笑う。

「ハハッ! あの雷オーブ、ぶっ飛ばしてえ! カイ、次はお前が先頭だろ!」

カイは立ち上がる。NHLの名場面が頭をよぎる。1987年カナダカップ、GretzkyとLemieuxの黄金コンビ。あの「完璧なパスワーク」を、この異世界で再現したい。

「次は勝つ。NHLの戦術、ブリッツに応用するぜ!」

控室の外、浮遊アリーナの光がエレメンタリスの夜空を照らす。次の相手は「岩塵団」、石魔法で鉄壁の守備を誇るチーム。大陸予選の2戦目、ストームクロウズの初勝利をかけた戦いが始まる。


2. 岩塵団の鉄壁

試合会場は、六面体アリーナの「岩の試練場」。ゴール24個が石で強化され、シュートを弾く特殊仕様。観客席にはドラゴンと精霊がひしめき、X風の魔法スクリーンに実況が飛び交う。

「ストームクロウズ、雑魚すぎw 岩塵団にボコられる未来しか見えねえ!」

カイはスクリーンを見て舌打ち。「NHLなら、こんな煽りも燃料だぜ…」

試合開始。岩塵団は石球を操り、リンク全体を岩の壁で封鎖。NHLの「ニュートラルゾーン・トラップ」を彷彿とさせる鉄壁戦術だ。リーダーのグラムは巨漢で、石魔法でオーブを重力操作し、ストームクロウズのシュートをことごとくブロック。

「ふん、雑魚がゴールに近づけると思うな!」

カイは火球を握るが、グラムの石壁に跳ね返される。レオが火球で反撃するも、岩塵団の風魔法で軌道が逸れ、ユキの氷シールドは石球の直撃で粉砕。ハヤテの風防御も、重い石球に押し負ける。

スコア0-3、1ピリオド終了。カイは息を切らす。

「こいつら、NHLのボストン・ブルーインズみたいに硬え…どうすりゃ…」

そこで、カイは気づく。NHLのパワープレー。5対4の数的優位で、正確なパスとポジショニングで守備を崩す戦術。あの「ゾーンエントリー」をブリッツで再現できないか?

「レオ、ユキ、ガン、ハヤテ! 俺のNHL戦術、試させてくれ!」


3. NHL魂のパワープレー

2ピリオド。カイはチームに指示を飛ばす。

「パワープレーだ! レオは火球で牽制、ユキは氷でリンクを滑らかに、ガンは石球で壁をぶち破る。ハヤテはゴールで風シールド全開! 俺はパスでつなぐ!」

カイの頭には、NHLのピッツバーグ・ペンギンズの映像。CrosbyとMalkinのパスワークが蘇る。

カイは風球を操り、NHLの「ドロップパス」を模倣。高速でレオにパス、レオが火球を連射して岩塵団の壁を焦がす。ユキが震えながら氷魔法でリンクを滑らかにし、ガンが石球で敵の壁を粉砕。

「行くぞ、ゾーンエントリー!」

カイは氷球をスティックで叩き、NHLのワンタイマー風にシュート。だが、グラムの重力魔法で軌道が曲がり、ゴール手前で止まる。

「くそっ、魔法のコントロールが…!」

その時、ユキが叫ぶ。「カイ、氷ゴール狙って!」

ユキの氷魔法がリンクを凍らせ、氷球が加速。カイはNHLのMcDavidのスピードをイメージし、フェイントでグラムをかわす。風球と氷球を同時に操り、2つのゴールに同時シュート!

「分裂シュート、再びだ!」

青い氷ゴールに1点、緑の風ゴールに1点。スコア2-3に追い上げる。観客のドラゴンが咆哮し、魔法スクリーンに「カイのダブルショットやべえwww」と書き込みが殺到。

だが、岩塵団の反撃。グラムが石球を巨大化させ、リンク全体を押し潰す「メテオクラッシュ」を発動。カイたちは吹き飛ばされ、マナゲージがピンチに。

「新入り、いい技だが所詮雑魚だ!」グラムが笑う。


4. チームの鼓動

3ピリオド、残り2分。スコア2-4。カイのマナはほぼゼロ、魔法は使えない。

「NHLなら、ここでフィジカル勝負だ!」

カイはチームに叫ぶ。「魔法なくても、ホッケーの魂でぶち抜く! 全員、自分のベストプレーを!」

レオが火球を最後のマナで撃ち、敵の視界を奪う。ユキが氷リンクを強化し、滑りを加速。ガンがフィジカルで敵を押し込み、ハヤテが風シールドで石球を弾く。

カイはNHLのOvechkinの「ワンタイマー」をイメージ。マナゼロでも、スティックで火球をフルスイング。

「これが、俺のスタンドプレーだ!」

火球が赤い火ゴールに突き刺さり、3-4。観客が総立ち、スクリーンに「ストームクロウズ、逆転いける!?」と実況。

だが、ラスト30秒、グラムが雷オーブを召喚。炎帝団と同じ禁断の技。雷鳴がアリーナを震わせ、カイたちのゴールを狙う。

「ハヤテ、頼む!」

ハヤテが風魔法を全解放。NHLのPatrick Royの神セーブを彷彿とさせる「トルネードシールド」で雷オーブを弾き返す。

「カイ、今だ!」

カイは最後の力を振り絞り、風球を掴む。NHLの「ブレイクアウェイ」、単独突進。グラムの石壁をデケでかわし、風ゴールにシュート。

「行け、Gretzkyの魂!」

風球がゴールに吸い込まれ、4-4同点! ブザーが鳴り、延長戦へ。

観客のドラゴンが「カイ! カイ!」と咆哮。スクリーンに「#ブリッツ逆転」がトレンド入り。


5. 延長戦の約束

試合後、控室。カイはヘトヘトで倒れ込むが、チームメイトの目には火が灯る。

「カイ、お前のNHLってやつ、悪くねえな。」レオが笑う。

「…次、勝つよね?」ユキが小声で言う。

「引き分けは上出来だ。だが、次は勝つ。」ハヤテがクールに頷く。

「ハハッ! 雷オーブ、俺がぶっ潰す!」ガンが拳を握る。

カイは笑う。「NHLの逆転劇、こんなもんじゃねえ。次はサドンデスで決めるぜ!」

窓の外、浮遊アリーナが輝く。次の試合は、岩塵団との再戦。雷オーブの秘密と、カイの「オールエレメント」の真の力が試される。

魔法スクリーンに、精霊の書き込み。「カイの風シュート、NHLって何!?」「ストームクロウズ、推せる!」

カイは呟く。「これが、ブリッツの鼓動だ!」

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