52/53
第52章:意志と記録の最終点
轟音と共に、戦場が再び形を変える。 クロウの背後に浮かび上がった構造体──それは無数の記録装置が組み込まれた鋼鉄の巨塔だった。
「これが……記録の集約体?」 リンが息を呑む。
「僕が辿り着いた、“最も確実な戦術”の答えだ」
クロウが構造体に手を触れると、塔の一部が反応し、映像が空間に拡がる。 そこに映し出されたのは──これまでの、カイたちの全戦闘記録。
「これまでのすべてを再構築し、再現し、超える。 君たちの“現在”すら、上書きできる」
「……記録に、今を支配させるつもりか!」 ゲンが低く唸る。
カイが槍を強く握り直した。 「だったら──俺たちは、記録に抗う」
彼の言葉に、ナナが、リンが、ユナが頷く。
「私も、もう迷わない」 ユナが一歩前に出る。 「あなたが言う“記録の完成”は、誰のためでもない」
「記録に縛られるのは、もう終わり」 ナナが銃を構える。
「想いは、未来へ向けて放つものよ」 リンが手のひらに共鳴を宿す。
カイが叫ぶ。
「行くぞ──“俺たちの今”を、記録の外側に刻むんだ!」
クロウの背後、記録塔が唸りを上げる。 無数の武器と戦術が再構築され、彼の元へ集まっていく。
「ならば、証明してみろ。 不確実な“意志”が、“記録”に勝るのかを──」
最終決戦が始まる。




