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鋼の記憶-メモリー・オブ・メタル  作者: 風光Maybe
リミッターズ編
47/53

第47章:刻まれた未来

崩壊した一角の瓦礫が煙を上げ、クロウの足元に散らばった。


「君の行動原理、“意志”に基づく戦術……」


クロウは静かに呟きながら、その指先で再び空気をなぞる。


「確かに、記録の網をすり抜けた……だが、それももう“例外”ではなくなる」


周囲に散った破片が集まり、再び幾何学的な構造を形作り始める。


「こいつ……さっきの行動すら、すでに次の“解析対象”に入れてる……」 ゲンが低く呟く。


「ならば!」


カイが再び前に出る。 焔の共鳴が槍に宿る。


「こっちも、次を“選び続ける”だけだ!」


槍が疾走する。 火花が奔り、再構築された壁を切り裂いた。 だが、クロウはそのすべてを“すでに想定済み”とばかりに無駄のない動きでかわす。


「素晴らしい。実に、理にかなっている。  だが、僕は“戦場全体”で勝つ」


クロウの手が掲げられると同時に、遠方の床が崩れ、鋼の柱が突如出現。 ナナとリンが反射的に後退するが、逃げ場を塞ぐように更なる壁が出現する。


「くそっ、完全に動きを封じてきてる……!」 ナナが叫ぶ。


「私たちの行動が、戦場に“予め組み込まれてる”ってこと……?」 リンが目を伏せる。


カイは歯を食いしばる。


「このままじゃ、奴の“記録通り”になる……!」


しかしその時── ゲンが前に出た。


「だったら──記録にならない戦い方をするしかねぇだろ」


彼が取り出したのは、かつて仲間の遺した小さな鋼片。


「こいつは誰にも触れられなかった……俺しか知らない記憶だ」


共鳴が走る。 槍とは異なる、歪な刃がゲンの手に形成された。


「“記録の外側”は、まだ残ってる」


カイがそれを見て、確信する。


「そうか……“記録されていない記憶”──それこそが、突破口だ!」


火花が舞う。 カイとゲンが同時に踏み込む。


記録と意志。 構築と変革。 未来を刻む戦いが、ここに始まる──。


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