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鋼の記憶-メモリー・オブ・メタル  作者: 風光Maybe
リミッターズ編
39/53

第39章:残火の先陣

警報が鳴り響く。


「G-V5、ルートB-7より侵入!距離400!」


地下拠点が緊張に包まれる。


ゲンは素早く大太刀を背に固定し、振り返った。


「出撃準備!リミッターズ、第三小隊、前線に展開!」


カイ、リン、ナナの三人は、防護服を着用しながらゲンに並ぶ。


「……本当に行く気か?」


ゲンの問いに、カイが頷く。


「戦えるなら、戦う。それが今の俺たちだ」


ナナが装填を終え、銃を肩にかける。


「現実の脅威に背を向けるわけにはいかない」


リンも共鳴装置を起動させながら、静かに口を開く。


「オリジンで生き残った意味を、ここで証明する」


ゲンが口元をわずかにほころばせた。


「気に入った。なら、行こうぜ──“外の火線”へ」



---


地上。


夕焼けに染まった廃都の一角。

赤黒い煙と焼けた建材のにおいが漂う。


そして、その向こうに──


「……あれが、G-V5」


ナナがつぶやく。


鋼鉄の脚部。両腕に収束型の高出力ブレード。

そして、黒い視覚センサーがこちらを捉えていた。


「適合者反応──捕捉」

「排除モード:展開」


その声と共に、機体が跳ねた。


「来るッ!!」


カイが即座に跳躍し、右側から回り込む。


『焔断槍』が起動、機体の腕部に直撃──しかし弾かれる。


「硬いな……!」


「装甲だけじゃない、動きも高速化してる!」


リンが地面を叩き、共鳴波を放つ。


『調律領域・展開──!』


瞬間、G-V5の動きがわずかに乱れる。


「ナナ!」


「了解!」


ナナの狙撃が関節部を撃ち抜く──ガキィン!


しかし、わずかにずれ、命中しきれない。


「自己補正もしてる……!」


ゲンが前線に出る。


「連携しろ!この相手は単独じゃ崩せねぇ!」


カイが息を整える。


「リン、次の共鳴タイミング合わせられるか!」


「できる!“三秒後に大きく動く”!」


「ナナ、撃てるか?」


「撃つしかないでしょ!」


三人の視線が重なり──


「今だッ!」


リンの共鳴がG-V5の加速軸を“ズラす”。

カイが槍で足元を跳ね上げ、姿勢を崩させ──


ナナの弾丸が、中央コアへ一直線に貫通した。


一瞬の静寂。


次の瞬間、G-V5が火花を散らして膝をつき──爆発四散した。



---


ゲンが息をついて、三人を見やる。


「……悪くない。新入りにしちゃ、上出来だ」


ナナが肩で息をしながら笑った。


「オリジンで散々修羅場くぐってきたからね」


リンも微笑む。


「でも……これが、始まりなんだよね。今度の“現実”の」


カイが、遠くの空を見上げた。


夕焼けの向こうに、また煙が立ち上っていた。


「次もある。……行こう、止まるわけにはいかない」

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