第39章:残火の先陣
警報が鳴り響く。
「G-V5、ルートB-7より侵入!距離400!」
地下拠点が緊張に包まれる。
ゲンは素早く大太刀を背に固定し、振り返った。
「出撃準備!リミッターズ、第三小隊、前線に展開!」
カイ、リン、ナナの三人は、防護服を着用しながらゲンに並ぶ。
「……本当に行く気か?」
ゲンの問いに、カイが頷く。
「戦えるなら、戦う。それが今の俺たちだ」
ナナが装填を終え、銃を肩にかける。
「現実の脅威に背を向けるわけにはいかない」
リンも共鳴装置を起動させながら、静かに口を開く。
「オリジンで生き残った意味を、ここで証明する」
ゲンが口元をわずかにほころばせた。
「気に入った。なら、行こうぜ──“外の火線”へ」
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地上。
夕焼けに染まった廃都の一角。
赤黒い煙と焼けた建材のにおいが漂う。
そして、その向こうに──
「……あれが、G-V5」
ナナがつぶやく。
鋼鉄の脚部。両腕に収束型の高出力ブレード。
そして、黒い視覚センサーがこちらを捉えていた。
「適合者反応──捕捉」
「排除モード:展開」
その声と共に、機体が跳ねた。
「来るッ!!」
カイが即座に跳躍し、右側から回り込む。
『焔断槍』が起動、機体の腕部に直撃──しかし弾かれる。
「硬いな……!」
「装甲だけじゃない、動きも高速化してる!」
リンが地面を叩き、共鳴波を放つ。
『調律領域・展開──!』
瞬間、G-V5の動きがわずかに乱れる。
「ナナ!」
「了解!」
ナナの狙撃が関節部を撃ち抜く──ガキィン!
しかし、わずかにずれ、命中しきれない。
「自己補正もしてる……!」
ゲンが前線に出る。
「連携しろ!この相手は単独じゃ崩せねぇ!」
カイが息を整える。
「リン、次の共鳴タイミング合わせられるか!」
「できる!“三秒後に大きく動く”!」
「ナナ、撃てるか?」
「撃つしかないでしょ!」
三人の視線が重なり──
「今だッ!」
リンの共鳴がG-V5の加速軸を“ズラす”。
カイが槍で足元を跳ね上げ、姿勢を崩させ──
ナナの弾丸が、中央コアへ一直線に貫通した。
一瞬の静寂。
次の瞬間、G-V5が火花を散らして膝をつき──爆発四散した。
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ゲンが息をついて、三人を見やる。
「……悪くない。新入りにしちゃ、上出来だ」
ナナが肩で息をしながら笑った。
「オリジンで散々修羅場くぐってきたからね」
リンも微笑む。
「でも……これが、始まりなんだよね。今度の“現実”の」
カイが、遠くの空を見上げた。
夕焼けの向こうに、また煙が立ち上っていた。
「次もある。……行こう、止まるわけにはいかない」




