第38章:リミッターズの残火
数分後。
三人は男に連れられ、瓦礫を抜けた先の地下通路へと降りていた。
「……で、あんたは何者?」
ナナが鋭く問いかける。
男は無言で歩きながら、肩の大太刀を背に戻す。
「名乗るほどのもんでもねぇが……“ゲン”だ。現役のリミッターズ」
「リミッターズ……まだ残ってたのか」
リンが小さく呟く。
「正確には、“俺たちだけが残された”って話だがな」
通路の奥に広がっていたのは、掘り返された地下構造物。
バリケードと監視装置が簡易的に配置され、
そこには数人の兵士の姿と、仮設の通信機材があった。
「ここは……拠点?」
「生き残りのな」
ゲンが振り返る。
「お前ら……“オリジン計画”の生き残りだろ?」
三人は一瞬、息を飲む。
「知ってるの?」
「俺も適合者だった。だけど“選ばれなかった側”さ。
あの時の記録は全部監視されてる。
──お前ら、全員“死亡扱い”になってたんだよ」
カイが目を細める。
「じゃあ、今のこの世界は……?」
ゲンが小さく笑う。
「“オリジン計画”は終わった。でもな、計画が残した副産物──
“適合者技術”と“強化兵”が暴走して、戦場ができた」
「強化兵……さっきの、あの機械か」
ナナが思い出すように言う。
「そうだ。あれは“コードG-Vシリーズ”。元は人間だったが、
制御失敗で完全な“兵器”になった」
リンの目が曇る。
「じゃあ、それと戦ってるのが……」
「俺たち、“残火のリミッターズ”だ」
ゲンが立ち止まる。
「生き残った数少ないリミッターズたちで、
最後にこの地を守ってる。だが──正直、もう限界だ」
「……私たちも、戦える」
カイが前に出る。
「このまま見てるだけなんてできない。
あの記録を越えた俺たちなら、きっと何かできるはずだ」
ゲンがカイを見つめたあと、ふっと目を細めた。
「言ったろ、“味方か敵か”は確かめるって。
──だったら、次の出撃で証明してみせろ」
次の瞬間、通信機が鳴った。
『こちら前線──G-V5確認!ルートB-7で接近中!』
ゲンがニヤリと笑う。
「間に合ったな。──連れてくぜ、新入りども」




