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鋼の記憶-メモリー・オブ・メタル  作者: 風光Maybe
リミッターズ編
38/53

第38章:リミッターズの残火

数分後。

三人は男に連れられ、瓦礫を抜けた先の地下通路へと降りていた。


「……で、あんたは何者?」


ナナが鋭く問いかける。

男は無言で歩きながら、肩の大太刀を背に戻す。


「名乗るほどのもんでもねぇが……“ゲン”だ。現役のリミッターズ」


「リミッターズ……まだ残ってたのか」


リンが小さく呟く。


「正確には、“俺たちだけが残された”って話だがな」


通路の奥に広がっていたのは、掘り返された地下構造物。

バリケードと監視装置が簡易的に配置され、

そこには数人の兵士の姿と、仮設の通信機材があった。


「ここは……拠点?」


「生き残りのな」


ゲンが振り返る。


「お前ら……“オリジン計画”の生き残りだろ?」


三人は一瞬、息を飲む。


「知ってるの?」


「俺も適合者だった。だけど“選ばれなかった側”さ。

 あの時の記録は全部監視されてる。

 ──お前ら、全員“死亡扱い”になってたんだよ」


カイが目を細める。


「じゃあ、今のこの世界は……?」


ゲンが小さく笑う。


「“オリジン計画”は終わった。でもな、計画が残した副産物──

 “適合者技術”と“強化兵”が暴走して、戦場ができた」


「強化兵……さっきの、あの機械か」


ナナが思い出すように言う。


「そうだ。あれは“コードG-Vシリーズ”。元は人間だったが、

 制御失敗で完全な“兵器”になった」


リンの目が曇る。


「じゃあ、それと戦ってるのが……」


「俺たち、“残火のリミッターズ”だ」


ゲンが立ち止まる。


「生き残った数少ないリミッターズたちで、

 最後にこの地を守ってる。だが──正直、もう限界だ」


「……私たちも、戦える」


カイが前に出る。


「このまま見てるだけなんてできない。

 あの記録を越えた俺たちなら、きっと何かできるはずだ」


ゲンがカイを見つめたあと、ふっと目を細めた。


「言ったろ、“味方か敵か”は確かめるって。

 ──だったら、次の出撃で証明してみせろ」


次の瞬間、通信機が鳴った。


『こちら前線──G-V5確認!ルートB-7で接近中!』


ゲンがニヤリと笑う。


「間に合ったな。──連れてくぜ、新入りども」


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