第37章:戦火の外側
──乾いた風が吹き抜ける。
三人は、廃墟となった街の片隅に立っていた。
瓦礫に覆われたビル、歪んだ鉄骨、そして焦げ跡の残る道路。
だが、空は青い。
そして確かに“現実”の匂いがした。
「……ここは、どこなんだ?」
カイが周囲を見渡す。
ナナが通信機らしき端末を操作するが、反応はない。
「信号……全部死んでる。電波、完全に遮断されてるわ」
リンは空を仰いでいた。
「“帰ってきた”んじゃない。
私たちは、“どこかに戻された”だけ」
足元の砂利が音を立てる。
ふと、遠くで何かが閃いた。
──煙。
──光。
──銃声。
「……誰かが戦ってる?」
カイが構える。
その瞬間、背後の廃ビルが爆発した。
「下がって!!」
ナナが叫ぶ。
崩れ落ちた瓦礫の向こうから、何かがゆっくりと姿を現した。
──黒いフルボディの強化装甲。
──二本の金属製の脚。
──そして背中に伸びる、まるで“刃”のような骨格。
「……あれ、人間じゃない……」
リンが言った。
それは、“人の形をした武器”。
まるで人間の限界を超えるように設計された、異質な存在。
《確認──適合者反応》
機械の瞳が三人を捉えた。
《排除対象、確定。指令コード:G-V1》
そして、動いた。
「構えろ!!来るぞ!」
カイが咄嗟に前へ出る。
瞬間、ビルの上から何かが飛び降り、黒い強化兵を弾き飛ばした。
「……ああもう、先走るなって言っただろ」
鈍い声とともに、白いコートの人物が現れる。
男は、片手に大太刀のような武器を担ぎ、
鋭い視線で三人を一瞥した。
「お前ら──“元リミッターズ”か?」
「……誰?」
ナナが警戒を強める。
「答える前に、お前らが“味方か敵か”確かめる」
男がニヤリと笑った。
「ようこそ、“外側”へ。ここは、リミッターズたちの戦場だ」




