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三題噺もどき3

作者: 狐彪

三題噺もどき―ごひゃくななじゅうよん。

 



 信号が赤に変わる。


 さすが中心街なこともあって車通りが多い。

 赤に変わっても数台走っていった。わりと日常茶飯事だったりする。この辺りの警察はあまり仕事を……いや何でもない。怒られそうだから黙っておこう。

「……」

 天気は曇り、そろそろ太陽が恋しい。

 ここ数日曇りや雨が続いているせいか、寒さに拍車がかかっている気がする。

 ただでさえ急に冷え込んだような感じがしていて、体が追い付くのに必死なのに。

 まぁ、そんなので体調を崩すほどやわではないのだけど。私が体調を崩すのは大抵精神的な何かが原因している。

「……」

 まぁ、しっかし寒い。

 換気と外の音が聞こえるようにというのもあって、車の窓をほんの少しだけ開けているんだけど、それでもその隙間から入り込む風があまりにも冷たい。

 ガソリン代も無駄ではないため、極力暖房を入れたくないという意地があるせいで車内は冷え切っている。

「……」

 助手席に座る妹も寒そうにしている。

 寒ければつけていいと言ったのだけど、そこまでではないらしい。まぁ、私が車に乗せたブランケットを膝に乗せているから私よりは寒くないだろうよ。

「……」

 道を確認している妹を尻目に、ぼうっと外を眺める。

 なんか、やけに人が多い気がするが。この辺りはいつもそうなのかな。横断歩道を渡る人が結構多い。老若男女問わずって感じだ。どちらかというと若者が多いような気もするな。ぱっと見だから分からないけど。

「……」

 歩道にできた水たまりでは、小さな鳥が遊んでいた。

 水浴びでもしているんだろうか。寒そうに見えるんだけど、そうでもないのかな。鳥の種類が分からないからあの子が寒さに強いのか弱いのかも分からない。けれどまぁ、可愛いので癒されはする。小動物ってどうしてこんなに可愛いんだろうな。

「……」

 まだ道の確認をしている妹からの次の指示が来ないので少しはらはらし始める。信号が変わるかもしれないから早く……。

 実は、今日は自分の住む町からかなり離れたところまで来ている。

 なんでもどこかのショッピングモール限定で欲しいものがあるらしく、それを買うためにこうして姉である私を足として使っているわけだ。

「……」

 あまり行き慣れた道でもない上に、そこまで運転は好きではないので正直今すぐにでも帰りたい。どこかでUターンさせて欲しい。ようやく我が家でも炬燵を出したから、その中に潜って一日中寝ていたい。

「そこの信号左だ」

「左?」

 ようやく顔を上げた妹の指示通りに指示器を出し、道の先を確認してみる。

 が。

 先頭の車も左折を出していたが、消したぞ?

 いあやれ、あそこに警察か警備員みたいな人が立ってないか。

「あれいけなくない?」

「は?」

 いや、は?ではなく。それはこちらのセリフだと言いたいんだが。

 左には曲がれない。道が封鎖されていると言うか。

 歩行者天国にされてないかあの道……。

「あれじゃないの」

 歩道に点々と立っていた旗を見つけ、左に曲がれない理由に確信を得る。

 祭り……というほど大規模なものでもないと思うのだけど。ここの通りのちょっとしたイベントみたいなものをやっているらしい。それでこの通りが封鎖されて歩行者天国になっているのだろう。

「……」

「いったん真っすぐいって、どっかコンビニ入ろう」

 そこで再度道確認をした方がいいだろう。

 多分ここで指示器を出している人たちは、この辺に住んでいない人たちなんだろう。多分この周辺に住んでいれば、封鎖をすると言うお知らせみたいなのがあるはずだから知っているはずだもの。

「……ついでにトイレ行こ」

「……はいどうぞ」

 目的の店に到着するかどうかも怪しくなってきて、若干諦め始めているのか。明らかにテンションが下がりつつある妹。

 まぁ、その限定ものが買えずとも、何かは買えるかもしれないし。そもそもこっち側に来ることがないんだから、他に買い物があれば買えばいいし。

 そんな落ち込むことでもあるまい。

「……」

 どうやって妹のご機嫌を取り戻そうかと思案しつつ、青になった信号を真っすぐと進む。

 早めにコンビニみつけよ。








 お題:水浴び・外・祭り

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