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第41話 「告白」

 それから数日。ギルドから厄災討伐隊への参加を要請され、俺たちは集まっていた。


「準備期間が長すぎて、妾は退屈で退屈で仕方なかったぞ」


「王女様……皆様に聞こえる声でそういうことは言わないでください」


「妾を退屈させるなど、この国の落ち度じゃ」


「王女様!?」


「相変わらず自由すぎんだろ、あんたんとこの王女様は」


 厄災との戦いの前だから空気がピリピリしてんのに全く動じてない。


 そんな奴の手綱を引かなきゃいけないって本当に大変だよ、執事って。


 合計百人くらい集まった中、一人の騎士が壇上に上がる。


「私はフィオナと言う! アウスト王国騎士団の団長であり、『厄災』討伐隊の隊長に任命された!」


「フィオナ様だと……」


「一緒に戦えるなんて光栄だ」


「可愛すぎる~」


 冒険者がフィオナにそんな言葉をかけていた。


「長き時を、厄災に脅かされ続けてきた。だが、奴らからせめて来ないのであればと見逃してきたが……こうして人類にその魔手を届かせようとするのなら、もはや情けも、慈悲もいらない!」


「……」


 フィオナの言葉の圧に、集まった冒険者たちも静まり返る。


「今日この日をもって、我々の手で、人類の脅威を排除する!」


「「「「「「「――うおおおおおおおお!!」」」」」」」


「これより、厄災戦へ、出陣する!」



 冒険者たちが次々と馬車に乗り込み、発進していく。


「貴方がカイリだな。噂は知っている」


「あ、さっき壇上で演説してた……フィオナさんだっけ」


「そこそこ有名だと自負しているんだがな。そうか、知らない者もいるよな……」


 あっ、しょぼんとしてる。可愛いけどちょっとかわいそうになってきた。


「有名なのは有名だと思う……俺がこの世界に詳しくないだけだ」


「この世界? 不思議な言い回しだな」


 そういえば、俺が異世界人ってことを伝えたことはなかったな。別に言う必要がなかったし、その機会もなかった。


 だけど、口封じされてるわけでもないんだから、話したっていいんだよな。日本で漫画とかラノベとか……特に異世界転生ものはよく読んでたから、勝手に言わない方が良いものだと思ってた。


 言ってみるか。俺が知らないだけでペナルティがあるのかもだけど……流石に死んだりはしないだろう。


「フィオナさん、俺……実は――」


「……」


「――俺は、別の世界からやってきたんだ」




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