表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

36/81

第36話 「配信、やってみない?」

 アルマジール大森林へ向かうカイリたちを見送った後のこと。


「じゃあ買い出ししよっか。武器とか防具はもちろん、回復アイテムもいっぱい買っておきたいよね〜」


「そうだな。私の鎧も新調しておきたい」


「あ、あの……できれば私、もお願いしたい……です……」


「今になっても慣れんな。カナのそういう態度は」


「だ、だだだって……怖いんだもん……嫌われて、一人になるのが……」


 もうカナやシャル、ソニアたちにはカイリしかいない。カイリに見放されれば、ほとんど詰みだ。


 シャルにもカナの不安は理解できる。だが、副リーダーを務めていた経験からそれを表に出さないだけで。


「あたしもちょっと欲しいものある……かな」


「ソニアか。そういえば今までずっと黙ってたが、どうしたんだ? 前はもっと話したがりだっただろう」


「いやぁ、カイリとどう接して良いのか分かんなくてさぁ。だって気まずいじゃん?」


「今までのパーティーでの行いは許していただいた。ご主人様は心が広いお方だ。ソニアも受け入れてくれると思うが」


「そうかもだけどぉ、うーん……もうちょっと慣れがいるかも」


 イオリは前の三人とやらは全く知らない。知っているのは、自分と同じくカイリに救われた女の子ってことだけだった。


「しかし……全員分装備を整えるとすればかなり金銭を消費してしまうな」


「そこはイオリちゃんに任せてよ! 伊達にアイドルやってないっす! お金は腐るほど持ってっから!」


 口調がちょくちょく変わるイオリに戸惑いつつも、シャルはなるべく表情に出さず、返答する。


「同じパーティーに所属する仲間に貸し借りを作るのは少々不安だな」


「えー? イオリちゃん全く気にしないよ〜?」


「一方的な関係性はもう作りたくないんだ。前が、そうだったからな……」


 ハルト一人が主張し、それ以外が引き立て役。そんな「役割」を押し付けられるのは、もう嫌だった。


「そっか〜。でも、それじゃどうやって買い出しの分のお金を稼ぐつもりなの〜?」


「そこが、問題なのだが……魔物でも狩って……」


「で、でも……お金を稼ぐために、戦って……傷ついて、回復のためにアイテム買ってたら……儲けはないと、思う……」


「むぅ……」


 困った。カナの言うことも理解できるし、厄災の前に戦って疲弊するのが良くないのも分かる。


「じゃあ、イオリちゃんから提案しちゃってもいいかな~? いいよね! いいってことにするね。今手っ取り早くお金を稼ぐって言ったら勿論、あれしかないよね」


「あれ、とは?」


「配信だよ! 配信! どう? みんなで配信、やってみない?」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ