二度めの5年玉
曜日間違えて、昨日投稿出来ませんでした。
来週からはまた火曜日です。
よろしくおねがいします!
翌朝、ギルドに着くといきなり仕事が舞い込んだ。牛頭の魔物の件が既に広まっていて、手負いの魔物の討伐を、上位の冒険者が請負ったそうだ。VIPルームでパーティーメンバー5人とギルマスと僕とで昨日の出来事を確認。
「リュックを捨てて来た事をチャラにする代わりに君を抱くつもりだったんだろうね。」
考えていた事は合っていたらしく、同室の彼はその罠に嵌ってしまったようだ。ほぼ全数が泣き寝入り、聖子達にペナルティーは無いようだ。まぁ、集まったのはそっちじゃなく、角を折られた魔物が暴走する可能性が高いので、討伐に行く為の打合わせなので、昨日の経緯を話し、すぐにダンジョンに潜った。
23階層に到達すると、片角の魔物がいた、通常、他の階層に移動することは無いが、暴走し凶暴化すると稀にドンドン浅い階層に登って、下級の冒険者に被害をもたらすケースが有るそうだ。
「アレが昨日のヤツ?」
「はい、眉間を狙ったんですが、外れて角だったんです。こうやって!」
今度は眉間を捉え、一発で仕留める事が出来た。
「ア、アタシ達の出番は?」
魔物を解体、食用にはならず、内臓の一部が薬になるそうなので、そこを回収して残りを焼却した。
「そんなことも出来るんだ、アタシ達の専属にならない?」
「ポーター歴2日ですんで、ちょっと考えさせて貰ってもいいですか?」
その気になったらギルドと受付に連絡するって約束して地上を目指した。
討伐の報酬はパーティーに入り、ポーターは、日当だけ。魔物の角と内臓は譲って貰ったので、いつもの店に持ち込んだ。角は今日も10万、内臓は全部で6万。
「おや?睾丸はどうしたんだい?アレ高いんだよ!」
「えっ?知らなかったから燃やしちゃいました。」
「勿体ないねぇ、男には迷惑な薬だから、まぁ良いか。」
寮に帰って、『専属』の件をお兄さんに相談した。専属になると、寮を出てパーティーのメンバー達と暮らすそうだ。それは面倒なのでお断りする予定。
「あのパーティーなら、稼げるし、寝込みを襲われたりすることも無いと思うよ。誘われたりはすると思うけどね。」
専属のメリットとか色々教えて貰って、結局お断りって事にして自室に帰った。
翌日からは、危険手当の付く難易度の高い依頼に付く事になった。毎日しっかり働いていると、戦利品を譲ってくれたり、お古の剣を貰ったり、夕食をご馳走になったりして4ヶ月が経過、すっかり夏になっていた。結構な金額を稼いで、体験期間を終えた。
師匠が迎えに来て、
「幾ら貯まった?」
「130とちょっとですね。」
「じゃあ、買い物だね!」
乗り合い馬車のチケットを買い、小綺麗な服を古着屋で揃え、貰った武器なんかを売って家具屋に向かった。
テーブルと椅子人数分、ベッドがシングル4つとダブルが2つ、食器棚、ドレッサー。かなり値切って残金が丁度百万。
九璃達のいる学校(的な所)に迎えに行った。師匠は残金を受付けに差し出すと、係のお兄さんは鮮やかな手捌きで数え、
「確かに頂戴致しました。お嬢様達がいらっしゃるまで、暫しお待ち下さい。」
4ヶ月前、5年玉での修行中伸び放題だった髪を師匠が適当に切っただけだった5人は、すっかりお洒落になってゲームキャラのイメージに近付いていた。
九璃は栗色の巻毛、八絵は黒髪ストレート、七歌は金髪ツインテール、六姫と五姫は赤毛のサイドテール、右側に結っているのが六姫。雰囲気も、それぞれ、キャラっぽく思えた。
乗り合い馬車で登山口、家具屋の配送を待っている間にランチを済ませた。荷馬車が着くと、
「ホントにここで良いのか?」
配送のお兄さんは、不思議そうに荷物を降ろした。
荷馬車が出てから、家具をポーチにしまう。身体強化を掛けてベッドを持ち上げ、ポーチに重ねるとスッと消えていく。次はと思ったら、九璃達が、自分の身体の数倍の家具を持ち上げ、サクサクと手伝ってくれた。さっき再会した時には、小さなレディー達を可愛らしく思えたが、将来、どんな女性に成長するのか少し不安になった。
駆け足で山を昇る。師匠がペースを上げるので合わせてついて行く。オトナの脚で3時間と言われるコースを30分足らずで登り切った。
「まだ涼しい顔だね。家具を置いてこよう。」
五姫と六姫の部屋にダブルベッド、他の3人はシングル、もう2部屋にそれぞれシングルとダブル。師匠と僕の部屋かな?部屋に入ってからポーチから出したので苦労しなかったが、普通に搬入したら階段や扉で相当苦労しただろう。他の家具も出してミッションクリア。やっと休憩と思ったら、次は薬草採取。6人で手分けして、5、6万分位の収穫。流石にクタクタで家に戻ると、夕食の仕度?美味しい香りが漂っていた。
「師匠ってゴハン作れるんだ。」
勇んでドアを開け、美味し香りの元に行くと、見知らぬお姉さんが鍋をかき混ぜていた。
「おかえり、ゾロ!」
ん?ヨーコの声?
黒ベースの和服風で帯は銀、下はタイトスカートみたいになっていた。
「ああ、ちっこいまんまじゃ、儂の食事が出来んからな、ちょっと値は張るが人間にしておいたぞ。」
慌ててステータスを確認すると、借金が2億程増えていた。ヨーコを変身させるのに2億、利息が数百万。乗っていないけど、5年玉のツケもあるよね?家具なんていいから、ちょっとでも返した方が良かったんじゃ無いかな?師匠は何も問題ないって感じなので、まぁなんとかなるのかな?テーブルを囲んでヨーコの料理を食べた。限られた食材の割にはとても美味しかった。
風呂に入って、新しいベッドで眠ろうと思ったら、
「食後の腹ごなしだよ。」
5年玉を渡された。
用意されていたダブダブの道着に着替えて倉庫移動、同じくダブダブの5人と、視線でスタンバイを確認、5年玉を割った。
前回同様、影の師匠が現れると早速、食料調達の指示。大勢で集めるとすぐに籠がいっぱいになるが、成長して食べる量も増えているので、余分に集めておいた。取り敢えず空腹を満たして毛布に包まった。
翌朝も食料調達から。今度は弓を習う。的を射っての練習では無く、いきなり実戦からスタートした。前に矢が飛ぶようになったのは昼近く、当然何も獲れていない。木の実で空腹を誤魔化して射続けた。
ヘナヘナだったのが、ビュンと飛ぶようになった時には日が暮れていた。それまで頑張って成果は勿論ゼロ。弦を引く指にはマメが出来ていた。山菜や木の実のストックを食べきって、物足りない胃袋を抱えて毛布に包まった。
翌朝、食べる物が無いので必然的に食料調達、丸一日、森を彷徨った。
3日目からは、交代で弓チームと調達チームに分かれて活動、なんとか喰い繋ぎながら弓も頑張った。ひと月程で初めての獲物、ウサギが1羽、七歌の矢だった。群れで暮らす動物なので、近くを探ると結構な数がいて、更に2羽ゲット。少量だけど久しぶりに肉にありつけそうだ。
コツが掴めたのか、その後は少しだが毎日獲れるようになって来た。少し自信がついた頃、
「じゃあ、弓の基礎と行きますか!」
師匠の指導が始まった。
「先ずは自由に射ってみな。」
平で安定した足場で的との間の視界がクリア、的は勿論動かない。森で獲物を狙うのとは全く違い、スパスパと中心付近に刺さった。
「まぁ、そんなモンだな、次はこうじゃ。」
師匠か射た矢は青白く光り、的のど真ん中を貫通した。矢に魔力を纏わせるんだが、なかなかうまくいかない。矢が燃え尽きたり砕けたり、弓が折れたり、弦が切れたりと失敗を繰り返す。魔力に気を取られると弓の精度が落ち、的に当たらなくなったりした。
午前中いっぱい失敗を繰り返し、午後は食料調達。珍しく、師匠も一緒だった。師匠は辺りを探る様子はなく、グイグイと進む、
「此処らで試そうか?」
呪文を唱え、草むらにしゃがんで地面に魔力を注ぎ込んだ。立ち上がると周りを見渡し軽く頷いた。少し移動して同じことを3度繰り返し、
「じゃあ戻るよ。」
一度家に戻り、倉庫からカゴの様なモノを持ち出し、
「次は川だよ。」
カゴの様なモノはワナらしい。川に仕掛けると、
「儂は帰っておる、食料調達して帰って来るが良い。」
山菜をゲットして、戻って弓の稽古。
満足出来ない夕食後は、畑を耕した。5年玉の外(?)普通の世界でも畑にしたスペースで同じように畑を作った。魔法で雑草を抜くと、元々畑だったのですぐに植えられるようになった。ただ、今回は苗を買いに行けるのかな?前回の5年間では、一度も山を下りなかったから、生活エリアはここだけだと思っている。影の師匠に相談すると、ゴソゴソとポケットを探る動作をして、紙袋を出して渡してくれた。中身はタネ、早速畑に蒔いた。
翌日、師匠が魔力を込めた場所に行くと、イノシシが居て、逃げもしないし突進攻撃もしてこなかった。
「ワナで固まっているから、今のうちにトドメ刺してね!」
練習中の弓をノーマルで放った。命中したがポトリ、地面に落ちた。
「ただのイノシシじゃないから、そんなんじゃムリ!」
風魔法を纏わせてリトライ。3本外し、4本目は貫通、イノシシはバタリと倒れた。
解体を習って、再びワナを仕掛けた。ワナは結界の応用で面倒ではあったが然程難しくはない。獲物の回収、解体とワナの再設置がルーティンに追加された。川に仕掛けるワナも同様で毎日何かしらは獲れるようになり、食生活が大幅に改善された。




