赤い四連星
外食で晩ごはんを済まして帰宅。風呂は無いので、浄化魔法でさっぱり。普段はギルドの風呂が使えるので、今日は我慢。
「先に寝ればいいっしょ!」
メイク落としも浄化魔法でOKだが、お肌のお手入れが必要らしい。
少ししてヨーコかベッドに入って来た。
「今朝の説明ね!」
スルリと僕の腕の中に滑り込むと、右手を引っ張り、自分の膨らみを包んだ。
「コレがお誘いね、で、OKならこうするの。」
親指と人差し指を動かして、先端部を摘まませた。
「それとね、コレはね、」
右手を下に移動し、今朝目覚めた状態になった。
「OKはOKなんだけど、自分が上でシたいって意味だべさ。」
少し恥ずかしそうに解説していた。最近スッカリコッチの世界モードになっていた性欲がアッチの世界モードに切り替わり、ブリーフの中が反応すると、
「まぁ、知らなかった事だから、今回は、ノーカンっしょ、じゃあおやすみなさい。」
右手を膨らみに戻して、スースーと寝息を立てていた。
あれ?今誘われてるってこと?でも、ノーカンにして貰ってすぐにおねだりするなんて微妙?色々考えているうちに、性欲はコッチの世界モードになり、ブリーフのなかに平和が訪れた。
翌朝、約束より早くギルトに到着。一としての立ち位置?どう振る舞えばベストなのかリサーチするつもり。
『アレ、赤四に臨時加入する男だぜ。』
遠くのヒソヒソ話しをコッソリ拾う。
『ほら、あそこ!』
チラリとこっちを向いた。盗み聞きがバレそうな距離じゃないので、視線を合わせず気付かぬフリ。
『折角見習いで3回付いたのにさ!』
『何、オマエ赤くなってんだよ?』
『いや、赤くなってねぇし。』
見習い男性冒険者が3人は赤四に付きたかったようだ。4人とも美人さんで実力もあるので大人気。
『紅葉さんにお持ち帰りして貰ったんだけどさ、初めてで摘むなんてはしたないから、揉むだけにしたんだ、それなのに、今日からアイツだぜ!』
興奮気味にこちらを指差していた。
会話の内容を精査すると、冒険者は一緒に働いた男性冒険者をお持ち帰りと言って、自分の家に連れ帰る事があるらしい。初めて誘われて直ぐに摘むのはガッツキ過ぎのようで、3回目か、それ以後が一般的なようだ。因みに、お持ち帰りされやすいのは、ブリーフの中身でかなり決まってしまうらしい。自分がどのレベルなのかちょっと気になるが、風呂場では皆んなキッチリ隠しているし、トイレは基本個室なので比較する機会が無かった。
赤四が到着すると、男性冒険者達は、小走りで近づき、見習いでの参加をアピール、断られると、ポーターでもいいと喰いさがった。朱実は僕を見つけると手招き、近くに行くと、
「4カ月間はこの人が臨時メンバーだから、お願いするとしたらそれ以降ね。」
ニコリと切り捨てた。
「一一です。」
改めて、自己紹介。赤四のメンバーは、リーダーの朱実と、紅葉、茜、知里の4人。
「知里さんだけ、名前に赤が無いんですね。」
「チリペッパーのチリですの!宜しくね!」
えっ?ムリありすぎでしょ?まぁ気にする事も、無いけどね。
早速、討伐系の依頼を請けて、山に登った。薬草や山菜を採りに入った一般の(冒険者じゃない)人が帰って来ず、魔物発生の恐れがあって、それの調査と駆除が今日の依頼。魔物が何か解らないから報酬は少し高め、倒したのが高額報酬の魔物なら加算してもらえる。
雪山の麓迄、赤四の馬車で移動、食料調達で培った山の知識は他の山にも通用、三つ子から習った探索能力で、猿系の魔物の群れを見つけた。そっと近付くと赤四の4人は猛スピードで斬りかかりバッタバッタと倒して行った。約半数に当たる20匹程が殺られると他は逃げ出した。
「畜生!殲滅じゃないと、ポイントが低いんだ!」
追いかけて何匹か斬るが、間に合うはずも無い。
「ゾロ、あそこ!」
ヨーコは広域に結界を張って、1箇所に逃げ込むように仕掛けてあった。風魔法を纏わせ、拡散させる矢を撃ち込んでコンプリート。肩で息をする4人に、
「効率考えなきゃダメっしょ、なんぼ速くても、数には敵わんべさ。」
見習いに説教され、不服そうな朱実だったが、4人が斬ったのが21匹、ヨーコの罠と僕の矢で倒したのが23匹。成果かハッキリすると、
「実は・・・」
剣術とスピードに特化してスキルを身に付け、成長もそれに全振りしてきたそうだ。派手さと大物喰いで、人気と昇格を勝ち取って来たようだ。探索、結界、ヒールは適性は有るものの、ほぼほぼ役に立たない。遠隔攻撃も見習いレベルだった。
ヨーコの勧めで、朱実は魔力刃での遠隔攻撃、紅葉が探索、茜が結界、知里がヒールを伸ばす事になり、翌日からそれに合った依頼を選ぶ事にして今日の仕事を終えた。
ギルトの風呂で汗を流す。今朝お喋り、じゃないか、盗み聞きした3人が先に入っていた。
『紅葉さん、仕事抜きで良いからお持ち帰りしてくれないかな?』
『オマエはデカいの持ってるから、そんな、選り好みしなきゃ、夕食とベッドも困らないだろう?今日だって食事誘われてるんだろ?』
僕だと気付かれないよう距離を保ってササッと洗い、様子を見てお湯に浸かった。次いでに、ちょっと気になっていた サイズの件を調べてみた。デカいのの大きさを探索能力を駆使して調査してみると、僕の方が少し勝っている様に見えた。ちょっと優越感?アッチの世界の巨乳の娘ってこんな気持ちだんだんだろうか?一瞬、性欲モードが変わり掛けたが、女湯から
「上がるよ!」
ヨーコの声で正気に戻った。
6人で夕食、歓迎会を開いてくれた。ヨーコはいくら飲んでも変化無し。僕はアッチの世界でかなり弱い部類に入っていたので、チビチビ様子を見ながら飲んている。赤四達は結構酔っていて、誰がお持ち帰りするかで揉めていた。
「ご馳走さまでした、ではまた明朝。」
ヨーコが席を立ち、僕も続くと、
「も、もう帰るのか?誰と泊まるかキミが選んでくれ!」
朱実は僕の手を掴んで離さなかった。
「誰とって、ヨーコに決まってるじゃないですか、では。」
一応は無事に店を出ることに成功した。
翌日から、4人のトレーニングと実入りの良さを考慮して依頼を請けた。ひと月で実用に耐えうる魔法が身に付いて、報酬重視にシフト、九璃達の授業料の4百万ルナを、除いても一千万貯まったので、繰上げ返済の手続きをした。いつものように処理が終わると、
「毎月の返済額が、160万に減りましたよ。」
借金の残高を見ると2億9千!
「師匠っしょ!」
ヨーコは何もおかしな事はない様子で、金額を確かめていた。理由を知っているらしいが、
「帰ったときのお楽しみだべさ。」
教えてくれない。まぁ今更騒いでも仕方がないので、ガンガン稼ぐ事に集中した。
4カ月が過ぎ、赤四はそれぞれが苦手を克服、バランスが取れて安定した仕事ができるようになっていた。僕は、オートヒールで激減した魔力を少し取り戻し、腕輪をしていた頃と変わらない位になっていた。
Fランクは一年間、もしくはポーター、見習いも加算して一年間で自動的にEに昇格する。晴れて単独行動や、見習いやポーターを雇う事が出来るようになった。銅のバッジを貰って、専属解除の手続きをした。
仮住まいのアパートを引き払い、薬師のお婆さんに5年玉のツケを払った。4百50万とちょっとを残して繰上げ返済。元金が何とか2億を切った。
今回は師匠は迎えに来ないので、ヨーコと二人で迎えに行き、4百万を支払い、4ヶ月ぶりの再会。スカートの丈以外は完璧なレディに成長していた。
乗り合いの馬車で山に帰る、雪も解けて歩きやすくなり、スイスイと登って家に着いた。
「「お帰りなさい!」」
ん?誰?銀髪の美少女が2人中学生位かな?師匠の見掛けより、ちょっとお姉さんかな?二人はよく似ているので姉妹だろう、1つ違い位かな?
「ゾロ、ご飯出来てるよ!」
妹のほうが、腕を組んできた。
「三葉、ズルい!」
姉の方も反対に貼り付いた。今、三葉って言った?
「やっぱりね、師匠のお世話する人が必要だったってことだべさ。」
「ああ、お帰り。片方だけ変える訳にもいかんからのう。」
あの借金は、二葉と三葉の変身に掛かる費用だった様だ。家政夫さんに頼めば、僻地手当を奮発しても4ヶ月で百万も有れば足りそうなのに、困ったものだ。まぁ今更言っても仕方がないので、ランチにして、今後の相談をした。
「ついておいで。」
裏の林に出来た獣道みたいな通路を進んだ。キノコが採れる所へのルートなので何度も通っているが、途中に大きな岩があってなんとなく行き止まりって感じになった所に到着した。
師匠は岩に触れると、スッと消えて無くなり、洞穴が現れた。
「岩は幻覚じゃ、ここを通れば隣街じゃ。これからは向こうに住む。儂は先に行っておるから引越し荷物を纏めて来るんじゃ。」
一旦戻って荷物をポーチに詰め込んだ。備蓄食料やベッド等の家具も詰めた。畑の野菜も、収穫出来るものはどんどん採って荷物に追加した。




