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徒然と  作者: くろたえ
10/15

私がパンイチ裸族をやめたわけ


●私は部屋ではパンイチ裸族だった。

ひとり暮らしの部屋に帰れば、家にたどり着いた安心感で開放的になるのを止められなかった。


「ただいまー」


ひとりでも部屋に戻ったら、「ただいま」を言う。

「ただいま」も「行ってきます」も気持ちの入れ替えスイッチだ。

靴を脱ぐと同時に靴下を脱いでいることが多い。

子供の頃は裸足で生活をしていた。

足の指でじゃんけん出来るのを皆が驚く。

今は違うが、冬以外は下駄を履いていた時期もあったな。裸足でも歩いている時は暖かいのだ。

職場でも下駄で行ったら、ロビーに音が響いて煩いと言われた。確かに。

まあ、そんな感じで、足先から顔まで「開放!」と叫ぶのだ。

靴下を脱いで服を脱いでブラも外して顔を洗って、やっとホッとする。


そんなパンイチ生活を脅かす存在が在った。


ある日のシャワー上がりに、横になりテレビを見ながらウトウトとしていたかもしれない。


そこに、裸の肩に誰かの手が置かれ、指先で強くつかみながら、ゆさゆさと揺さぶられた。


「っはあっ」


慌てて目覚めた。

背後を見るも誰も居ない。

しかし、具体的に感触が残っている。

親指は後、前に四本の指を喰い込ませるように肩を掴んでゆすられた。


見られた。パンイチを見られた。なのに、私は視えない。

幽霊が有利?

何の勝負だ。とりあえず、Tシャツを着た。


その部屋は事故物件だった。それが理由かな?


◆引っ越した。

私はパンイチ裸族に戻っていた。


ある日、疲れて帰ってきて、さっさとパンイチになり座椅子に座った。


「ヴァーーーン。疲れたよーーーう」


などとほざいては、グダグダしていた。少し眠ってしまったかもしれない。

座椅子の背に頭を乗せて伸びている。

そこをスナップを利かせた手でスパーンとデコをひっぱたかれた。


えーーーーーー⁈


私はもそもそとTシャツを着た。

鏡で見た額は赤くなっていた。


誰も居ないから裸族なんじゃん!誰か居るなら裸族になれないじゃないかーーーっ!


見えないから私に分が悪い。


なのでパンイチ裸族は強制的に卒業する羽目になった。


しかし、今でも真っ先に靴下を脱ぐのはやめられない。



この間、夫の留守にパンイチをしてみた。

秘密は蜜の味。この、解・放・感!&背・徳・感!


猫の女の子と目が合った。結構理知的な瞳をしていると思った。

「良いの?」と猫に諭された気分になった。



私はやっぱりもそもそとTシャツを着た。




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― 新着の感想 ―
[一言] 短パン、ノースリーブにしましょう! 突然のピンポーンがあるかもしれませんし ……夜はないか、夜にピンポーンは怖いですね でもやっぱり短パン、ノースリーブです!
[良い点] ここ数日はお暑うございますので裸族です 性別が関係しているのか、幸いなことに僕はツッコミをもらってません あまりの暑さに昼寝してたら(←ん?) ちょうど良いタイミングで ピンポ~ン …
[良い点] 裸族いいですよねえ。 自分は以前、裸で寝るのが身体の凝りに良いというのを聞いてから全裸で寝てるのですが、その延長で風呂上がりの自室では全裸で過ごしております。 でも確かに、ニャー様にでも見…
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