クズ
ひとはみんなクズだよ
なにか知ってるようなふりして
本当はなにも知らないんだ
うれしいってのは冷酷で
かなしいってのは蒙昧で
紙切れを纏い
秋のさざめきを歩くの
暮らしはみすぼらしい
砂漠めいた感情で日々を殺しつつ
虫食いな身体で心細い
砂漠めいた感情は日々を殺す
虫喰いな身体を殺す
ひとはしらないうちに犠牲になって
その裏でだれかを喰う
殺されながら
殺していく
街を歩くのが憂鬱で
だれもいいひとに見えなくて
いつか小鳥を飼おうと思う
時間はすべて置き去りにして
花束は朽ち
香りは消え失せる
荒廃と黎明
かすかに差し込む朝陽の
か細くて苦しそうなうめき
愛は二度と咲かない
この世界には二度と
夜明けの吐瀉物のにおいが今日に立ち込めて
なんとなくわかる