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つつじヶ丘

 刹那はショックで青ざめている永遠を連れて自宅へと向かっていた。妹は電車に乗っている間も、刹那の腕にすがるようにしてしがみ付いていた。状況が状況なので、早紀に連絡して来てくれるように頼んだ。


 つつじヶ丘駅をでて歩いていると、刹那のスマホが鳴った。着信音にドキリとする、そのメロディーは好恵に設定していたからだ。慌ててバックからスマホを取り出して電話に出る。


「もしもしッ、おばさんッ?」


 思わず声が上擦うわずる。


「そうよ。せっちゃん、まず落ち着きなさい」


 間違いない、叔母の好恵だ。


「だいじょうぶ! おばさんこそだいじょうぶ?」


「だから落ち着きなさいって、私は釈放されたから」


「わかったッ、釈放……ん? 釈放されたの?」


「そう。いきなり理由も聞かされずにね」


  つまり、それって……


「はるちゃんね。他にそんなことをできる人は……法眼先生もいるか。

 でも状況を考えれば、はるちゃんで間違いないでしょう」


 法眼の名前に気が重くなる。


「うん……あたしたちには手を出さないって約束で、求道会に行ったから」


「えッ、そうなの?」


「でも、その後に永遠が求道会にさらわれそうになって……」


「そっちも色々あったみたいね、続きは家で聞くわ。永遠ちゃんも一緒に……」


「今、つつじヶ丘を出て、家に向かってる。おばさんが釈放されたなら、きっと永遠のお父さんも自由になっているはずね。だから、こっちに来てもらうわ」


「さすがせっちゃん、良い判断ね。永遠ちゃんのお父さんにはそっちから伝えておいてね、そしてまとめて情報を共有しましょう」


 刹那は通話を終えた。


「姉さん、社長が釈放されたの?」


 永遠が刹那の顔を見上げる。


「うん、永遠のお父さんも釈放されるはずだから、こっちに来てもらおう」


 永遠は何か言いかけたが、急に遠くを見るような眼をした。


「どうしたの?」


「お母さんから、また連絡」


 視線を再び刹那に戻す。


「お父さんも釈放されたって。わたし、連絡するね」


 永遠はスマホを取り出して父に連絡をした。


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