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Real of Legends  作者: 綾鷹
8/10

不安

アイオニア5


「何だ。最後までやらないのか?」

「貴殿何者だ?私はお前とやりあったことはないはずだ。

なぜ私の行動がわかる?私のスキル誰に教えてもらった?」


「いや誰にも。」


「とぼけた表情をするな。ではなぜ的確な間合いで戦える?」


これはまずい。翔也は反射的に言葉を作る。

「俺は何年も対近距離とやりあってきた。その攻撃範囲を見極めるのには自信がある。それだけだ。」


「にしても対応能力が早すぎる・・・私のスキルを全て知っているような感覚であったが。」


「いやほんとに初めまして。」

「だとしたら貴殿強いな。対遠距離戦で負けたのは初めてだ。相性的には有利なはずなのに」


落ち込むアカリに逆に質問をかける

「君の師匠はもっと強いのか?」

「うむ。シェン殿は私よりも強い・・・」

「どう言う感じでつよ・・」

「貴殿私を弟子にして欲しい。」と急にアカリが真剣な眼差しを向け話を遮った。


「いや弟子って言われても・・・」

「では一緒に稽古をしてほしい。私は今すぐ強くなりたいんだ!」

「いや・・うん・・・いやです。」

きっぱりと断りを入れる。

想像するだけでめんどくさそうな頼みごとだ。


「なっ。。。」

またしても落ち込むアカリになんて声をかけるべきが悩んだ末、

「とりあえず家に帰ろう。」

「うむ。」

翔也は来た時と同じ静寂な空気がその場を支配したがなんだか違う空気を感じ取っていた。


『気まず!!!』


帰るとネロとヘンリが出迎えてくれた。

「恋人にでもなったのか?」

その気まづさそうな雰囲気からネロがいきなりかましてきた。


「「違う」」

2人して過剰に反応したのが面白かったのだろう。

ネロは大爆笑しており後ろでヘンリがクスリと笑っている。


「そんな大声で言わなくても(笑)夕飯のシチューができてるぞ!」

「ありがとう。」恥ずかしかったのか翔也の声はか細く、また翔也の後ろで小さく「ありがとう」と呟くアカリの声は誰にも聞こえなかった。


「この肉めちゃめちゃ美味しいな!なんだこれ。今まで食べたことないほどほいしい!!」

たった今翔也にとってこっちで初めてのご飯のおかずに驚いていた。

「それはボンボと言う動物のお肉です。」

「ここアイオニアは食文化で行ったらどこにも負けないからな。」

「貴殿知らないのがほぅ?魔力によって肉n旨味がぎょうじゅくされているんだ。」

よほどお腹が空いているのだろう。ボンボ肉を頬張りながらアカリが説明してくれた。

「知らないのか?うごめく岩を」

「なんだそれ?」


「魔力を発する岩だよ。ここから南東方角をまっすぐ歩いたところにある。そこから漏れ出す魔力がこのアイオニア全体を潤わせてるんだ。やっぱりボンボ最高だ。」


「見せようか?絵があるんだ。」ネロはそう言いながら棚を漁り始めた。


「ほらよ!これだ」

「おいなんだこれ。」


渡された紙にはどう見てもラーメンに入っているナルトとしかいい合わせれないようなものが書かれてあった。


「貴殿。私にも見せてくれ。」

「はい。」渡した紙を見た瞬間アカリが一言。

「美味しそう。」


夕食を終えて各自部屋でゆっくりしているとき翔也はアカリに部屋を訪れていた

「コンコン」

アカリ入っていいか?

「なんだ」

ドアを開けるとアカリはラーメンを食べていた。


「おいそれ。」翔也はびっくりして声が裏返る。

「なんだ。締めのラーメンだ。」

『今さっきシチュー食べてただろ。絶対食べ過ぎだ。』

声で発しそうな言葉を飲み込み


「その料理今度俺も食べたい!」と予約をしておく。

すると「今簡単に作れるぞ。」と紛れもないカップラーメンを差し出してきた。

「いやお腹一杯・・・」

「そうか・・・でなんの用事だ?まさかこのために??」


危ない。何をしにきたか忘れかけていた。

「これからのことについて聞きたいなと思って。」


「なるほど。私は明日朝一でこの村を出てジンを探しに行く。このペースだと3日あれば追いつくだろう。」


「俺も行っていいか?」


「もちろん!!よろしく頼む。」

驚きと嬉しさの表情を全面に押し出しアカリは翔也の同行を受け取った。


「ジンは貴殿と同じ遠距離型のスキルを持っている。私はそのタイプには絶対勝てると自負していたが先ほどの戦いで思い知らされた。あのままいってたら確実にやられていただろう。ありがとう。」


「明日から本格的に動き回る。覚悟しておいたほうがいいぞ。」

「わかった。ではまた明日。」

「うむ。」


「ネル世話になったな。ありがとう!」

翔也はそう言い残し右手で軽く敬礼をする。

「こちらこそ。元気でな。早く記憶取り戻せよ!」

ネルが両手を前に出してきたためそれに翔也が応じようと左手の手袋を取ろうとした瞬間


「はっ・・・・?」


翔也の思考が加速する。

なんで。なんで薬指のピンクの色が半分しかない。

何が起きてるんだ。

どうする。どうすれば美月を助けれる。どこだ。どこにいる。


「・・・・ぃ」


一刻も早く行かねば・・・


「・・・おぃ」


翔也の挙げていた右手をネルが掴み下ろす。

「おい大丈夫か??」

「あぁすまないなんでもない。じゃあまたな!」

「おう。無茶すんなよ」

「おうよ。」


ネルとその奥さんは背を向け歩き出す翔也の背中を心配そうに見つめた。


「大丈夫でしょうか?」

「あぁきっと大丈夫。彼は強い。」

「そうですよね・・・」





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