悪魔の情報
アイオニア2
「ここはどこだ?」唐突な質問に怪訝な顔をするネル。
「迷子にでもなったのか?ここはアイオニアの南部のジオン地方だ。」
なるほど。アイオニア。ゲーム内知識だとそこは手付かずの美しさと自然の魔法が残る土地だ。
そこに住む人々は巨大な島大陸の中でまばらに移住地を作って生活しており、精神性を重んじ、世界との調和の中で生きることを望んでいる温厚な人々がいる地域であるはず。
そしてそんな土地でジンが暴れているというのはゲームと同じだ。
「ゼドとシェンがジンを捕まえ牢獄に入れたんじゃないのか?」
「もちろん。だから驚いてるし村のみんなも余計恐怖なんだ。悪魔が帰って来たって。」
「今ゼドとシェンは?」
なぜこんなにも彼らに固執するかというと2人は共にジンを探すことに命を懸けているからである。故に情報が非常に重要である。
「どこから説明したらいいかわからないから最初から説明するよ。」
「あぁ頼む。」
「さっき翔也がいった通りシェン殿とゼド殿とその師匠クショー殿はジンを追い詰めることに成功したんだ。そしてゼド殿とシェン殿はその悪魔を殺そうとした。
がしかしクショー殿は投獄するように彼らに命じたんだ。ここまではいいか?」
「うむ。」
「丁度今日だ。シェン殿の弟子のアカリ殿が俺たちの村の惨事を聞きつけて訪ねて来た。ジンが各地で暴れまわってる間にアカリ殿が修行している寺院がゼド殿に襲撃されたらしいのだ。師匠クショー殿は殺され、またシェン殿とアカリ殿以外もほとんど殺されたらしい。ゼド殿は師匠クショー殿のやり方の甘さに怒りが爆発したのだろう。自分達の功績が無になってしまったジン脱獄によってゼド殿は寺院に革命を起こしたんだ。師匠を殺すことによって。」
なるほど。ほとんどゲームのストーリーとあってる。
だがこれからどうなるかは語られていなかった。彼らがどう動くのかは未知数。しかし大まかな流れは掴めた。
「アカリ殿は明日までカシューリ村にある私の家に滞在するらしいから直接話をいいてみるといい。
俺からはこんぐらいだ。翔也の話も聞かせてくれよ。」
うーん。なんていって伝えようか・・・ゲームっていったって。
この世界については全くの無知なため色々情報が聞きやすい記憶喪失の設定でいこう。」
「わからない。気づいたら森の中に居たんだ。」
一応これは本当のことだ。
「えっ何も覚えていないのか?」
「あぁ。この武器だけ装備していて他は何も・・・」
「やはり追い剥ぎにでもあったのかな。そんな格好で森の中にいるのは変態しかいない。助けを求めにいったとき一瞬あれこっちのが危なくねって思ったから。」
「うるさいな。」
「それは神器かぁ〜い?」
とここでアイバーンが語り出した。
「遺跡とかに眠っていると聞くねぇ〜。それに遺跡
は不思議な魔力があってねぇ。攻略者をどこかに飛ばすこともあるんだ。だからそれかもしれないなぁ〜。」
「君は遺跡攻略者なのかい?」
っと驚いた表情でこちらを見てくる。
「うーんわからない。がそうかもしれない。しばらくは記憶を戻す旅に出かけようと思う。」
「わかった。俺もできる限り手伝うよ。」
「ありがとう。」
よしまずはうまく過ごせそうだ。
「じゃあ僕は友達の所へ行ってくるよぉ。理由も聞けたし。ただ村の人に行っておいてくれ〜ここら辺は僕の友達が沢山いるから採らないでって。じゃあ行こうか〜デイジー」
そう言い残すとアイバーンとデイジーは花を咲かせながらのっそりのっそり森の中へ消えていった。